装着していることを意識せずに使えるのが美点
さて、結論です。発売以降、3ヵ月間じっくり付き合ってみましたが、日常的な利用に向いているイヤフォンだと思いました。装着快適性は先代と変わらず、音質もその良さが引き継がれています。
やはり軽くて快適なのは正義です。長時間使っても装着していることを意識せずに済みます。個人的な用途で言えば、取材の録音をテキストに起こす作業にはもって来い。Bluetoothと違ってレイテンシがないので、サクッと動画を観たいときに取り出すイヤフォンもこれでした。大抵の用途に躊躇なく使えるのが良いところでしょう。
遮音性のなさは仕方ありません。その代わり、低域がリッチなので、BGM程度に鳴っていればいいかと割り切れれば、電車の中でも十分に用は足ります。ただし、音漏れはするので、音量には気を付けて下さい。
ただ、価格が下がったとはいえ、抜税価格1万円から始まる製品です。決して安いとはいえません。ですが、インイヤー型でここまで音のいい製品は、それほど多くない。それを考えると、この価格も納得できてしまいます。最近のボーズは、こういったマーケット事情を勘案した設定がうまいです。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ