震災をきっかけにBCP検討、小型NAS+Azure国内データセンターで低コスト運用
長野市民病院、電子カルテのバックアップにAzureクラウド採用
2015年01月07日 06時00分更新
長野市保健医療公社 長野市民病院では、大規模災害に備えた電子カルテデータの遠隔バックアップ先として、「Microsoft Azure」の日本データセンターを採用した。小型NAS製品「QNAP Turbo NAS」との組み合わせにより、2014年10月から同バックアップ環境を運用開始している。
同事例は1月6日に日本マイクロソフトが発表した。
長野市民病院は、現在400床、30診療科を持ち、長野医療圏北部の基幹病院として先進医療を提供している。電子カルテのほかにも、ETLツールとBIツールを患者数や病床利用率の可視化に活用するなど、医療スタッフの負荷軽減のために積極的なICT活用に取り組む。
同院では従来、電子カルテデータを院内にバックアップしていたが、2011年3月11日発生の東日本大震災、その翌日の長野県北部地震をきっかけに、遠隔地へのデータバックアップの重要性を認識。適正なコストや運用の信頼性、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」などを勘案しながらソリューションの検討を進めた。
3年にわたる検討の結果、同院ではAzureとQNAP Turbo NASを採用した。QNAP NASは、Azureをバックアップ先とする連携機能を備えており、同院ではQNAP NASから1日1回、圧縮および暗号化した電子カルテデータをAzureにフルバックアップしている。
同ソリューションの選定理由について、同院では、当初想定よりも大幅に導入コストが抑制できたこと、長期のデータ保管先として信頼できる事業者であること、国内データセンターの存在、Azureにより3重化/地理分散保管が可能なことなどを挙げている。