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きりんカルテシステムが医療言語処理エンジン「きりんカルテDX」を開発

電子カルテからAzureのLUISで情報を自動抽出・構造化して地域医療連携へ

2018年09月03日 15時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 無料のクラウド電子カルテサービス「カルテZERO」を開発・提供するきりんカルテシステムは2018年9月3日、TXP Medixak、日本マイクロソフトを協力し、Microsoft Azureを基盤に電子カルテからAIが必要な医療情報のみを抽出・構造化する医療言語処理エンジン「きりんカルテDX」を開発した。

 きりんカルテシステムは、これまで地域の医師会とともにカルテZEROを活用した地域医療連携を検討してきた。地域医療連携を推進するためには、カルテ情報の中から「どの情報をどう連携・共有するか」が課題になる。カルテの記載の仕方は医師によって異なり、また、カルテの中には患者のプライバシーに関わる情報などが存在するため、情報を選定して共有できることが重要になるとする。

 この課題を解決するために、今回キリンシステムは、AzureのAI APIサービス「Cognitive Services」の自然言語解析AI API「LUIS(Language Understanding)」を活用して、医師が記入したカルテ情報から重要な情報を選択・抽出し、医療における標準的な記載に変換した「構造化カルテ」を自動生成する技術を開発した。LUISによって、カルテに含まれる医療用語、診療科によって意味が異なる略語や記号、診療上は必要だが共有にはなじまない情報を理解して、地域医療連携のために必要な情報のみを抽出し、構造化する。現時点で、きりんカルテDXの分類精度は80%以上だという。

電子カルテからLUISで重要な情報を選別し「構造化カルテ」を自動生成

 カルテ情報を保存するデータベースとして、「Azure Database for MySQL」を採用した。将来的には、Azure Kubernetes Service(AKS)の利用を視野に入れて検証を開始しているとする。

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