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「高いパフォーマンス」だけではないメリットを強調、より幅広い領域への適用拡大を狙う

発売から1年、EMC XtremIO幹部「われわれの期待すら超えた」

2014年12月10日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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顧客にはむしろ「そんなに安いのか」と言われる

――もう1つ、フラッシュストレージと言えば、やはり「価格が高い」という点が普及におけるネックになっているのではないですか。

 たしかに、われわれが顧客にXtremIOを紹介すると、必ず「でも高いんでしょう?」という話題になる。しかし現実には、多くのユースケースにおいて、TBあたりの(実効)容量単価が従来のHDDストレージよりも下回る場合がある。

 フラッシュの価格について、顧客は数年前の印象を持っているかもしれないが、エンタープライズグレードの信頼性を持つSSDでも、この数年間で容量単価は大幅に下がっている。

 さらに先ほども触れたが、XtremIOでは、DBならば3~4倍、サーバー仮想化ならば3~10倍、そしてVDIならば10~20倍ものデータ削減率を実現する。したがって、価格面で競争力のある、安価なストレージとして使うこともできる。

 一般的なオールフラッシュアレイの場合、いろいろな機能を見ても、やはり「コストが高いから……」と導入を見合わせる顧客はいるだろう。だが、XtremIOの場合はむしろ、TB単価を見て「そんなに安いのか」と言ってもらえる。HDDベースの製品とコストを比較して「ああ、そんなものなのか」と。

――しかし、顧客がフラッシュアレイに対して持つイメージを変え、理解を得るのには時間がかかりそうです。

 それはそのとおりだ。顧客の理解を得るには時間がかかる。

 たとえばある大手金融サービスの顧客では、当初は「(全データのうち)7~8%の領域にだけ、XtremIOを適用できればいい」と考えていた。使い始めるまではストレージ統合やデータ削減、コストといったメリットがよく見えていなかったのだ。しかし、XtremIOを導入してからはそうしたメリットをよく理解し、より幅広い領域で活用するようになっている。

――この数年間で、オールフラッシュアレイ市場にはたくさんのベンダーが参入しました。競合ベンダーに対する優位性について、どのように考えていますか。

 実際には、XtremIOとまったく同じことをできるベンダーはどこにもいないと考えている。

 たとえばインライン重複排除、圧縮の両方を備えるベンダーはわずかであり、さらにどのベンダーも“真の”スケールアウトアーキテクチャにはなっていない。データ削減についても、パフォーマンスに影響するようなものが多い。

 ExtremIOほど、レスポンスタイムが安定していて予測可能な製品はないと思う。この特徴は、データ削減率の高さと合わせて、アプリケーション統合においてとても有効なのだ。

(→次ページ、来年には実効容量1ペタバイトのフラッシュアレイへ

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