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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第37回

弱虫ペダル、Fate、ビルドファイターズトライが人気

ニコ動とpixivで調べてみた!2014年秋アニメの二次創作動向

2014年11月06日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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ニコ動で毎週投稿数を増やしているのは
「グリザイアの果実」「俺、ツインテールになります。」など

 この他のタイトルでニコ動で投稿数が多かった作品は「selector spread WIXOSS」「グリザイアの果実」「ガールフレンド(仮)」など。前回同様に投稿数を7日毎に区切って投稿数の多い作品の動画投稿の推移を見てみました。

 「selector spread WIXOSS」は今年4月から6月に放送されたオリジナルアニメ「selector infected WIXOSS」の続編で、前作のそのまま続きとなっています。前作が好評だったこともあり初週の投稿数は多かったようですが、以降は減ってきています。

 同様に話題性が高かった「ガールフレンド(仮)」も初週(10月2週目より放送開始)の投稿数は多かったものの、以降は減っています。似たような傾向のタイトルとしては、人気作の続編となる「PSYCHO-PASS サイコパス 2」、富野監督のガンダム新作「ガンダム Gのレコンギスタ」、月刊ドラゴンエイジ連載中のマンガ作品原作の「トリニティセブン」など。

 前人気の高さによる応援作品やアニメOP・ED関係の投稿は初週前後に固まる傾向があるため、最初の週には動画投稿が増えますが、これらのタイトルでは楽曲のヒットやMAD的な「素材」の発見など、動画を投稿するような話題性が少ないようです。

 一方、毎週投稿数を増やしているのはアダルトゲーム原作で「睡眠の重要性」が音MAD素材としてヒットしている「グリザイアの果実」、ライトノベル原作の「俺、ツインテールになります。」など。「俺、ツインテールになります。」は「テイルレッド」人気もあり後述のpixivでも投稿数が増加しています。

 ライトノベル原作の「甘城ブリリアントパーク」は京アニだけのことはあり、女の子の可愛さや「創聖のアクエリオン」のAKINOが歌うOPの「エクストラ・マジック・アワー」などが話題になっていますが、投稿数は上下しているようです。同様に週刊ヤングジャンプ連載中の漫画を原作とする「テラフォーマーズ」も一旦投稿数を落とした後に増やしています。いずれも話題にはなっているものの投稿数は安定していないようです。

 また「アイカツ!」「カードファイト!! ヴァンガードG」は長期作品に接続する新シリーズということもあり、投稿数は安定して大きな動きはありません。

水沢夢原作ライトノベルのアニメ化、「俺、ツインテールになります。」の第1話。男の子が変身する美少女ツインテール戦士「テイルレッド」の可愛さが話題。

10月開始アニメの主な13作品の関連タグについて、10月1日スタートで水曜から翌火曜までの7日間ごとで区切ったニコ動での動画投稿数をグラフにしたもの

pixivで投稿数増加中の作品は
「七つの大罪」「甘城ブリリアントパーク」など

 一方pixivでは「ワールドトリガー」「七つの大罪」「アイカツ!」などのイラストがよく投稿されています。

 「ワールドトリガー」は葦原大介の週刊少年ジャンプ連載中の作品。少し前から同人人気の高い作品で、今回待望のアニメ化となりました。前人気の高さもあり初週は投稿数が多かったものの、現在は落ちついています。

 同様に初週に対して投稿数が落ちている作品としては「アイカツ!」「PSYCHO-PASS サイコパス 2」「ガンダム Gのレコンギスタ」「ログ・ホライゾン」など。やはり2期や続編などで前人気の高い作品が多いです。

 対して、投稿数が増加してきているのが鈴木央の週刊少年マガジン連載作品の「七つの大罪」。もともと人気の高い作品でもありますが「マギ」「ハイキュー!!」と同人人気の高い作品が多いTBS日曜5時枠の新作らしく、早速注目を集めています。「エリザベス」「ディアンヌ」など女性キャラのイラストが多いですが、「キング」「メリオダス」など男性キャラのイラストも多数投稿されているようです。

 ニコ動で人気の高い「甘城ブリリアントパーク」も投稿数を増やしており、こちらは「ガンダムビルドファイターズトライ」同様にR-18投稿が多い傾向があります。人気の高いキャラは「千斗いすず」「ラティファ・フルーランザ」「ミュース」など。「テイルレッド」人気の高い「俺、ツインテールになります。」もR-18投稿が多く人気のあるタイトル。

 ほかいずれも漫画作品のアニメ化の月刊ガンガンJOKER連載中の「繰繰れ! コックリさん」、月刊コミックアヴァルス掲載の「曇天に笑う」は、いずれもアニメ化前からよく投稿があった作品ですが、放送開始後も作品の投稿数が増える傾向があります。似たような傾向の作品としてはほかにコロコロコミック連載の「怪盗ジョーカー」があります。

鈴木央の週刊少年マガジン連載中の作品「七つの大罪」のアニメ第一話。王女エリザベスが王国を救うために、罪を着せられて王国から放逐された最強の騎士団「七つの大罪」を集める物語。

10月開始アニメのおもな13作品の関連タグについて、10月1日スタートで水曜から翌火曜までの7日間ごとで区切ったpixivでのイラスト投稿数をグラフにしたもの

ニコ動・pixiv両方で強いのは
弱虫ペダル、Fate、ビルドファイターズトライ

 最後にまとめも兼ねてニコニコ動画とpixivで各作品の投稿数の違いを比較してみましょう(グラフ7)。両サービスの投稿数を両対数軸のグラフでプロットしてみました。グラフを斜めに走る線より右下側はニコ動寄り、左上側はpixiv寄りの作品になると思います。

 ともに人気が高いのは「弱虫ペダル GRANDE ROAD」と「Fate/stay night -UBW-」、次いで「ガンダムビルドファイターズトライ」がよく投稿されています。いずれもpixivでの投稿数が多く、特に「弱虫ペダル」のイラストは現在pixivでは非常に多く投稿されています。

 次いで投稿の多いのはpixiv寄りで「アイカツ!」「PSYCHO-PASS サイコパス 2」、ニコ動寄りで「selector spread WIXOSS」「ガールフレンド(仮)」「俺、ツインテールになります。」、ともに平均して高い作品として「甘城ブリリアントパーク」が挙げられます。話題の「ガンダム Gのレコンギスタ」らは二次創作ではこれらに次ぐ人気となっています。

 pixivに偏った人気となっているのは「ワールドトリガー」「曇天に笑う」「怪盗ジョーカー」、逆にニコ動に偏った人気なのは「グリザイアの果実」「トリニティセブン」「大図書館の羊飼い」「なりヒロwww」など。バランスのとれた人気の作品としては「天体のメソッド」など(キャラクターでは「ノエル」のイラストが多い。R-18イラストは少な目)。

 pixiv寄りなのは漫画原作の以前から二次創作の多い作品、ニコ動寄りなのはエロゲ原作やハーレム的な舞台設定の作品、5分もののショートアニメなどが多いようです。

各作品のニコニコ動画・pixivの投稿数を両対数軸のグラフにプロットしたもの。斜めの線は近似曲線で、およそこの線から右下がニコ動寄り、左上がpixiv寄りによく二次作品が投稿されているタイトル

いまのところ目立つ作品は見えないニコ動
定番からニューフェイスまで盛況のpixiv

 10月アニメは一通り放送開始し序盤が過ぎたところですが、ニコ動では二次創作的な動きはまだ大きくなっていません。いまのところは本編アニメや名シーンの転載などが中心で、MADなども投稿されていますが目立った人気にはなっていないようです。

 一方、pixivでは弱虫ペダルやFateの以前から人気のあるキャラクターのほか、「ホシノ・フミナ」「サザキ・カオルコ」(ガンダムビルドファイターズトライ)、「エリザベス」(七つの大罪)、「千斗いすず」(甘城ブリリアントパーク)、「ノエル」(天体のメソッド)、「テイルレッド」(俺、ツインテールになります。)など新しい作品でも人気のあるキャラクターが出てきており、イラスト投稿が盛り上がってきています。年末が楽しみですね。

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