利用提案を軸にした新しいマーケティング戦略に
それは、野鳥、鉄道、飛行機、野生動物、スポーツ、モータースポーツという6つの領域においての撮影利用提案を行うという手法だ。
これらを「EOS 1D譲りの機動力が活躍できるジャンル」と位置づけ、ここにターゲットユーザーを置く。
キヤノンマーケティングジャパン イメージングシステムカンパニープレジデントの八木耕一常務執行役員は、「野鳥では100万人の愛好家がいるが、そのうちカメラを用いた愛好家は約34万人。50代以上のユーザーが半数であり、レンズ保有本数は3~5本が5割を超える。また鉄道分野では約30万人のカメラユーザーがおり、野鳥分野同様に5割を超えるユーザーが3~5本のレンズを保有している」と語る。
さらに、飛行機では約20万人、スポーツでは約24万人、野生動物では約9万人、モータースポーツでは約6万人のユーザーがいると分析。「各ジャンルのお客様にEOSの魅力を訴求し、一眼レフ市場の拡大継続させる」と意気込む。
川崎社長は、「レンズ交換式カメラ市場は今後も拡大するマーケット。最新、最高のスペックを実現した意欲的な商品提案と、積極的なマーケティング活動により、トップメーカーとして、写真市場のさらなる活性化を目指す」と述べる。
5年ぶりのAPS-Cフラッグシップ機の新製品は、需要の反動期にあたる2014年度に投入されたが、これからの成長と市場拡大を担う役割を持った製品だといえそうだ。
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