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ad:tech tokyo 2014

純広告にプログラマティックは必要なのか

2014年09月18日 07時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 2014年9月16日から「ad:tech tokyo 2014」(アドテック東京 2014)が開催。「徹底討論:プログラマティックは是か非か?メディアはどうするのか?」というパネルディスカッションで、アディンゴ取締役の小澤昇歩氏、カウリの高田勝裕CEO、ルビコン・プロジェクトの池田智幸日本代表という3人がプログラマティックについて議論した。

 プログラマティックは、プログラムを使ったインターネット広告取引手法の総称だ。

 インターネット広告は現在、RTB(広告の自動入札インフラ)をはじめ、広告原稿の入稿やクリエイティブ確認などワークフローにまでプラットホームが入りはじめ、プログラムを使ってやりとりが効率化(一部自動化)されつつある。そんな中、純広告の出稿を効率化する「プログラマティック・ダイレクト」という仕組みが新たな潮流として生まれた。米広告業界団体IABによれば、在庫予約型の固定単価取引を指す。

 メディアがプログラマティック・ダイレクトを導入するメリットは作業コストの削減だ。

 プログラムにより折衝を効率化することで、作業コストを下げ、利益を最大化できる。一方の広告主は掲載する媒体名が分かり、配信数の保証も受けられる。

 欧米を中心に海外では導入が進んでおり、「海外ではすでに方法論のレベル。どう使っていくべきかという話がほとんど」(アディンゴ小澤昇歩氏)。日本は出遅れた形となっている。

 だが、プログラマティック・ダイレクトに移行することで、メディアに不利な点も出てくる。プログラムが出稿を効率化して収益を確保するとはいえ、同一のプラットホームに乗っかる形になれば、自分たちでコントロールできない面が出てきてしまうのだ。

 「広告主側は自分たちに都合がいいインプレッション(広告の表示回数)を買う気まんまんで、媒体社(メディア)側はそれをもらうだけになってしまう。すると広告主はROI(投資対効率)を追求しまくってくる。ただ都合良くもらってるだけでいいんですか、という話」(カウリ高田勝裕CEO)

 プログラマティック・ダイレクト先進国の欧米でも「広告主・広告会社がよりプログラマティックに力を入れはじめているので、参加できないと大きなバジェットが得られない」(ルビコン・プロジェクト池田智幸日本代表)と、導入理由はやや後ろ向きだ。

 また、欧米で進んでいるプログラマティックに日本が慎重な背景には、日本と海外では広告主の広告に求める指標が違っているという指摘もあった。

 日本の広告主は「CPC(サイトへのアクセス数を稼ぐためにかかる費用)やCPA(顧客数をかせぐためにかかる費用)を見てしまう」(ルビコン池田氏)が、海外では「ブランドを意識しているところは、リーチ(広告が配信される範囲の広さ)を指標に取り入れている」(同)。

 日本ではプログラマティック・ダイレクトへの認識が途上段階で、「効率化によって担当者がいらなくなってしまう」危機感もあるとされた。そうした背景を踏まえ、今は議論を深める段階にあるという。

 「海外も同じような歴史をたどっていて、ある程度は理解されてきているが、2〜3年前は今の日本と同じような状況だったと聞いている。(プログラマティックで)人がいらなくなるわけではなく、役割が変わってくる。クリエイティビティーのある広告企画を考えるところに時間を使っていける。そうした認識が出来るのもこれからではないか」(ルビコン池田氏)


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