今回のことば
「スマホは将来にとって非常に重要。他社は撤退や縮小しているが、シャープは通信事業からは絶対に撤退しない」(シャープ・高橋興三社長)
撤退あいつぐスマートフォンメーカー、節目の到来
国内スマートフォンメーカーの事業が節目を迎えている。
ここ1年の動きをみても、NECがスマートフォン事業からの撤退を明らかにしたのに続き、パナソニックは、BtoC向けのスマホ事業から撤退し、BtoBにフォーカスした事業展開に絞り込んでいる。
また、富士通は、2013年度の出荷実績が年間370万台。前年度の650万台から大幅な縮小。さらに2014年度の計画は310万台と、2年間で半分以下に縮小させる計画だ。
ソニーもモバイル・コミュニケーション事業の損益が悪化し、第1四半期の営業損失は27億円の赤字を計上。スマートフォンの販売台数が前年同期の960万台から940万台に減少。販路拡大や製品ラインアップ拡充のためのマーケティング費用が増加したことも減益要因となった。
こうしたなか、シャープでは、スマホ事業に今後も継続的に力を注ぐ姿勢を示す。
シャープの高橋興三社長は、「スマホは将来にとって非常に重要。他社は撤退や縮小しているが、シャープは通信事業からは絶対に撤退しない」と語る。
とはいえ、シャープも厳しい状況にあるのは変わらない。
同社の第1四半期決算によると、携帯電話の販売金額は前年同期比1.2%減の496億円、販売台数は5.7%減の123万台。
「海外メーカーとの競争激化により、台数、金額ともに前年同期を割り込んでいる」とする。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ