Googleクライシスレスポンスとは?
静岡市は、Googleとの間で、「Googleクライシスレスポンス」に関する協定を結んでいる。ここでは、被災地における安否情報発信および検索が行える「Googleパーソンファインダー」のほか、避難所情報や避難ルート、ハザードマップの地図サービスの提供、ガスや水道、道路など、各種ライフラインの状況に関する地図サービスをGoogleが提供。大規模災害発生時には、インターネットを通じた支援を行うことが可能で、Googleが全世界で行って来た、40件にものぼる大規模災害対応から得られた知見や情報をいち早く共有し、提案することも可能になるという。
これも今回の道路情報提供システムの検討対象に、Googleのプラットフォームをあげた背景のひとつといえるだろう。
道路情報提供システムでは、道路の被災状況などの災害情報を管理する「災害情報管理」、道路工事や災害時の通行規制情報を管理する「規制情報管理」、緊急輸送路、孤立予想集落への接続道など、道路啓開情報を管理するための「大規模災害時の道路啓開情報管理」、一般公開サイトで道路規制情報などを一般公開する「情報公開機能」を持っているほか、山間部など通信環境が悪いところでの利用や、オフライン環境でも利用できるように、アプリケーションに工夫が行われているという。
今後は、市の防災メールとの連携などを通じて、利用者がシステムに能動的にアクセスしなくても情報を得られる仕組みも検討中だという。
なお、9月1日の防災の日には、同市の総合防災訓練に、道路情報提供システムを活用した訓練を行う予定だという。
静岡市の田辺市長は、グーグルが開催したプライベートイベント「Google Atmosphere Tokyo 2014」の2日目の基調講演に登壇。この静岡市の取り組みを紹介してみせた。
その講演の最後に、田辺市長は静岡市の謎かけで締めくくった。
「Google Mapを活用した防災システムを導入した静岡市とかけて、お気に入りの服ととく。そのこころは、一度きてみたら、またきたくなる」
会場からは大きな拍手が涌いた。
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