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業界人の《ことば》から 第105回

Google Mapsで作る、地震に強い街づくり

地震対策における静岡市民の自信は、木っ端微塵に崩れた

2014年08月19日 09時00分更新

文● 大河原克行

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Googleのクラウドをなぜ静岡市は選択したのか

 この「道路情報提供システム」の構築においては、3つのポイントを重視している。

 ひとつは、「大規模災害時でも安定かつ堅牢なシステム」である。

 静岡市では、災害時でもシステム運用を継続することができること、アクセスが集中しても安定的に運用ができる環境を実現するため、クラウド上に新システムを構築することを決定。災害対策本部が被災するような想定外の災害であっても、インターネットにさえ接続できれば、システムが利用できる環境を整えられることを条件とした。

 2つめには、「いつでも、誰もが使える」という点だ。

 利用者が普段から使い慣れているサービスを採用すること、一般的な背景地図であることを条件とし、その上でシステム導入の検討を行ったという。

 そして、3つめには、「多くの情報を効率的に、短時間で発信できる」という点だ。

 災害発生時には、市職員らが持ち運びが容易なタブレット端末を使って、現場の被害状況を写真撮影。GPS情報などとともに最新の被災情報をクラウド上にアップ。災害対策本部や関係機関のみならず、一般市民も、最新の被害状況を確認できるようにすることを条件とした。

なぜGoogleのクラウドかという、ポイントについては3つの問題に解答できる点を上げている

 「大規模な地震でも利用できる強固なシステムであること、市民のだれもが使えるやさしいシステムであること、短時間で情報を収集し、発信できることを条件とした場合、これに当てはまるのがGoogle Mapsであった。すべてをGoogleの環境で運用する災害対応システムを全国に先駆けて、いち早くスタートした」とする。

 大規模災害で多数のアクセスが集中しても稼働できる「Google Cloud」と、多くの人が使い慣れている地図サービス「Googleマップ」の組み合わせによって、災害などによる市内道路の被災状況や規制状況を、関係機関や市民に広く発信することができるとしている。

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