大規模リストラの背景にあるものは?
一方で、マイクロソフトは、米国時間の7月17日に、今後1年間で最大1万8000人を対象とした人員削減計画を発表した。
この人員削減計画では、今年4月25日に、マイクロソフトが買収したノキアのデバイスおよびサービス事業を対象に、1万2500人を削減することが中心となるが、それ以外にも、マイクロソフトにおける組織の簡素化を目指した人員削減が行われ、そこにおいては、日本マイクロソフトも対象になる。
これに伴い、同社では、今後1年間で、11億~16億ドルの税込費用を計上する予定であり、そのうち、7億5000万ドル~8億ドルの退職金や関連給付金費用として計上。また、3億5000万ドル~8億ドルの資産関連費用に計上するという。
ナデラCEOは、リリースのなかで「これらの変革の意思決定は困難だが、不可欠である」としている。
文化を変えるとナデラ氏はなぜ語るのか
実は、この発表が行われる前日の7月16日(米国時間)のWPC 2014の基調講演で、ナデラCEOは、講演の最後のコメントとして、こんなことを発言していた。
「私はいま、文化を変えることに取り組んでいる」--。
これは同社最大規模の人員削減発表を前にして、あえて発した言葉だといえる。
そして、「技術を変えることは、それほど難しいことではないが、文化を変えるのは難しい」と、エンジニア出身のナデラCEOならではの表現も加えてみせた。
また、CEO就任から約半年間の取り組みについては、「これまで大胆な変革を行っているが、これは一時的なものではなく、継続的に行っていかなくてはならない。成功につなげるためには、技術やスキルを高めるだけでなく、新たなことに大胆に取り組み、ビジネスモデルを変え、文化を変えることが必要である。それはチャンスを生むことにもつながる」と語る。
これも、人員削減発表を前にした言葉として捉えれば、重要な意味を持つといえよう。
さらに、ニーチェの「現実に直面する勇気を持て」という言葉を引用。「現実」という言葉を「機会」に置き換えて、「我々は新たなビジネスチャンスを発見する旅路に出なくてはならない」と語った。
就任半年で、マイクロソフト過去最大の人員削減という大きな鉈を振り下ろしたナデラCEO。これらの言葉を聞く限り、その改革の速度を緩めるつもりはないようだ。
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