仕事と個人を継ぎ目なくつなぐ、そのための端末でありOS
米マイクロソフトが米ワシントンD.C.で開催した「Microsoft Worldwide Partner Conference(WPC) 2014」の基調講演に登壇したサティア・ナデラCEOの言葉のなかにも、そうした意識が強く感じられた。
講演内容そのものは目新しいものはなにもなかったが、サティアCEOは、「Digital Work & Life Experiences」という言葉を使い、そのなかで、仕事と個人をシームレスにつなぐことがこれまで以上に重要になることを強調。「クラウドOS」と「デバイスOS&ハードウェア」の双方から、力を注ぐ姿勢を示してみせた。
ナデラCEOは、いまや30億人がネットワークに接続していること、2020年には2120億個以上のセンサーからデータが発信されること、モバイルとクラウドで、2017年には2兆4300億ドルのビジネスが生まれることなどを示し、「クラウドがなくては、モバイル体験ができない。そして、モバイルデバイスやセンサーがなければ、人生にインパクトを与えることができない」とコメント。
「これまでは仕事の生産性をあげることばかりが注目されてきたが、個人の生活においても生産性をあげることが重視される。仕事の生産性だけというニッチな考え方では通用しない。両方の生産性を考えることで、すべての人たちが、人生をより楽しむことができるようになる。Digital Work & Life Experiencesは、人が中心であり、これによって、次世代に求められる生産性といったものを実現することにつながる」
また、以下のようにも語る。
「これまでは、アプリをひとつひとつ開発していたが、これからはそれが孤立したものになってはいけない。また、デバイスも個人用と仕事用というように分かれるのではなく、どちらにも使えるようにすることで生産性をあげることができる。これは言い換えれば、パートナーにとっては、ビジネス、コンシューマを問わずにあらゆる領域から市場参入することができる環境が作り出されるともいえ、マイクロソフトのアイコンが表示されたすべてのデバイスに対してアプローチできる」
Windowsはデバイスを超えて一本化する
米マイクロソフトでは、米国時間の7月22日、次期Windowsにおいて、WindowsとWindows RT、Windows Phoneの3つのOSを一本化する方針を明らかにした。これによって、ディスプレイサイズやデバイスの差がなく、ひとつのOSでアプリを開発することが可能になり、さらに流通環境も一本化されることになる。ナデラCEOがわずか1週間前に言及していたひとつの回答がここにある。
これが、マイクロソフトが語る「Digital Work & Life Experiences」を一気に進展させることになるのは明らかだ。
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