PCでは鮮烈で生き生きとした再生が可能
PCとの接続の場合は、Windwosならば専用ドライバーをホームページからダウンロードする必要がある(Macでは不要)。再生ソフトは「Foobar2000」を使っている。
その音は鮮烈で生き生きとした鳴り方が身上で、レスポンスがよく勢いのある音だ。サンプリング周波数192kHzのクラシックは、低音楽器の音色が厚みと力強さを兼ね備えた骨太なもので、音階もしっかりと鳴らし分ける。
高音域も情報量がたっぷりで出音の鋭さもあり、かなり切れ味のよい再現となる。鋼のような強靱さを感じる力強いサウンドだ。
ポップスでは、女性の声のニュアンスの豊かさに驚かされた。微妙に付加されたエコーの響きや残響感もきめ細かくシャープに再現する。
DSD音源のジャズでは、しなやかなギターの音色と表情の豊かさがしっかりと感じられた。音色がニュートラルなこともあり、高解像で反応の良いサウンドは、曲の雰囲気をしっかりと伝える実力がある。忠実感の高いサウンドと言えるだろう。
iPhoneではややしなやかになるが
ハイレゾらしい解像感は味わえる
今度はiPhoneに切り替えて聴いてみる。再生ソフトはリニアPCM音源、DSD音源ともに対応したオンキヨーの「HF Player」を使用している。
このアプリは前回も使用しているが、こうしたiOS端末でのハイレゾ対応のポタアンと幅広く組み合わせて使えるのが便利なのだ。ハイレゾ再生のためには1000円の有料アップデートが必要だが、汎用プレーヤーとして使えることを考えると十分お得だ。
iPhoneとの接続は、Lightning-USBカメラアダプターを使い、USB B-USB Aのケーブルや変換アダプターを使用する。ケーブルが長くなりやすいので、変換アダプターを使うのが便利だろう。
その音は、強靱さがやや和らぎ、よりしなやかな音になるが、ハイレゾらしい解像度の高さはしっかりと味わえる。PC再生と比べて大きな差は感じないレベルの高い再生音だ。
使用上の注意があるとすれば、バッテリーの充電をあらかじめしっかりと行なっておく必要があること。バッテリーが切れかけた状態で使うとiOS機器側から電力を吸い取りはじめるようで、数十分の使用でiOS機器側のバッテリー残量が半減するほど激しく消耗した。
再生は継続できるがかなりハラハラした状況で音楽を聴くことになるので注意しよう(iPhoneの場合は特に)。
なお、nanoiDSDは、iPhoneだけでなくソニーのハイレゾ対応ウォークマンとのデジタル接続が可能なこともアナウンスされている。こちらの場合も、接続用ケーブルは別途用意する必要があるが、最大192kHzのリニアPCM音声でのデジタル出力が可能。DSD音源を再生した場合は、リニアPCMへの変換出力になると思われる。
(次ページに続く、「レゾネッセンス・ラボ HERUS」)
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