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現在はビジネス状況が悪くないのが“課題”、変革を推進すると語る

日本オラクルの杉原新社長「No.1クラウド企業を目指す」

2014年04月08日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 「日本市場においても『No.1 Cloud Company』への進化を標榜し、顧客やパートナー、社会への貢献を果たしていきたい」――。4月1日付で日本オラクルの代表執行役 社長 最高経営責任者(CEO)に就任した杉原博茂氏が、4月7日に開催された就任記者会見でビジョンを語った。

 同日の会見には杉原氏と、前任者のデレク・エイチ・ウイリアムズ氏が出席した。

日本オラクル 新社長兼CEOに就任した杉原博茂氏(右)と、オラクル・コーポレーション エグゼクティブ・バイス・プレジデントで日本オラクル 取締役のデレク・エイチ・ウイリアムズ氏(左)

 1960年生まれ、53歳の杉原氏は、フォーバル、EMCジャパン、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)などを経て、昨年(2013)年10月、米オラクルに入社。シニア・バイスプレジデントとして、グローバル事業統括を務めた。「杉原氏は、日本だけでなく米国、アジア太平洋地域でも幅広い経験を持つ、オラクルに不可欠な人材」(ウイリアムズ氏)。

 杉原氏は、グローバルでのオラクルの戦略に則り、ストレージやサーバーから、仮想化、OS、データベース、ミドルウェア、アプリケーションまでの技術の「コンプリートスタック」を、オンプレミスからプライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドまでの選択肢を「コンプリートチョイス」として日本の顧客に提供していくと述べた。

 「日本オラクルのビジョンについて、(米オラクルCEOの)ラリーエリソンや(同社長の)マークハードなど、本社の人々と何度も議論した。やはり(グローバルでのビジョンである)『No.1 Cloud Companyへの進化』、それを日本でも標榜し、顧客やパートナーへ貢献していきたい」(杉原氏)

 日本企業、日本社会特有の課題として、杉原氏は「少子高齢化」や「海外へのビジネス展開」を挙げ、IT活用によるサービスレベルの向上、生産性の改善、さらに海外展開の際のIT構築といった面で、日本オラクルとして顧客を支援していくと、方針を説明する。

 一方、現在の日本オラクルが抱える課題は何かという質問に対して、杉原氏は「(日本オラクルのビジネスが)決して悪くないというのが“課題”」と表現した。

 「米国本社でも『日本はよく頑張っている』という認識だが、『ものすごくグレート』というわけでもない。今後10年間の進化に向けて、変革を実行していく。具体的には、データベースに偏っている売上を、ミドルウェアやクラウドといった他分野にも展開していく。現在のビジネスを拡大しつつ、他の領域での進化を進めていく」(杉原氏)

 就任直後であり、“変革”に向けた具体的アクションについてはこれからの検討となるが、北米で好調な業種特化型ソリューションのベストプラクティス導入や、「クラウドの第一人者として」日本オラクルを浸透させていくことなどを施策として挙げた。

 「日本ではまだ『クラウドと言えばオラクル』とはなっていない。(2020年の)東京オリンピックまでには、クラウドと言えばオラクルという存在になりたい」(杉原氏)

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