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家の中で音量を低くしても保たれているバランス

明瞭な中高域にリッチな低域が魅力、BOSE最新のSoundLink

2014年02月23日 12時00分更新

文● 四本淑三 撮影●篠原孝志

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音質的には大幅なアップデートを果たす

 4基のドライバーユニットに、パッシブラジエーターを正対して2基配置した「デュアル・オポージング・パッシブラジエーター」で低域を増強させるSL3のユニット構成も、先代のSoundLink Bluetooth Mobile speaker IIと同じ。特に新機軸もなく、全体的に地味なモデルチェンジのように見えるが、音質的にはかなりのアップデートを果たしている。

 メーカーでは、DSPのチューニングを見直したことで「より大音量での再生も行えるようになった」とアナウンスしているが、屋内での日常的利用環境で歓迎したいのは、低い音量でのバランスも改善されたことだ。

正面に4基のドライバー、そして正対するパッシブラジエーターを2基内蔵して、奥行き48mmというのはかなり薄い

 基本的にはドンシャリ型の「いわゆるボーズの音」だが、先代に比べて中高域がより明瞭になり、リッチな低域に見合う情報量を得ている。音量を絞っても痩せた感じがしないのも、DSPでチューニングされたスピーカーとして期待通りの設定だ。SoundLink Mini Bluetooth speakerのようなやり過ぎ感もなく、パッシブラジエーター搭載機としてサイズ相応の低域の量感を得ている。

 ただ、Bluetooth周りで若干古さを感じるのは、動画を観る場合にオーディオのレイテンシーが気になる点だ。ミニシアター的な音質ではあるのだが、唇の動きとセリフが合わない程度のズレがあるのは惜しい。

 それでもJAWBONEのMINI JAMBOXのような、最近のBluetoothテクノロジーに対応した小型スピーカーと比較すると、低域の余裕がまったく違う。パワーのある大きなスピーカーだから当たり前と言えば当たり前だが、小型のスピーカーはいかにパッシブラジエーターで増強しても低域の底づき感が拭えない。卓上に据え置きで使うなら、ステレオの音場感の自然さも含めて、良く練られた製品だと感じた。


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著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター、武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。インターネットやデジタル・テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレ。

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