2月7日、ヴイエムウェアは2014年度の事業戦略説明会を開催した。2013年度の業績はグローバル/日本共に好調だといい、2014年度の方針も基本的には2013年度の方針を引き継ぐ形となる。
Software-Defined Enterpriseの実現に向けて
説明を行なった同社の代表取締役社長の三木 泰雄氏は、まず2013年度初頭に掲げた目標を振り返った。約1年前に同社が掲げたのは「コンサルティングサービスの充実」「新しいワークスタイルの提案」「ハイブリッド クラウドの実現」「成功する仮想化を支援」の4点だが、1年間でいずれも成功と言えるだけの成果を上げたという。
また、日本での注力分野として“Software-Defined Data Center”“エンドユーザー コンピューティング”“ハイブリッドクラウド”の3点が昨年掲げられたが、この点についても変更はなく、2014年も引き続いてこの3点に注力していくという。ハイパーバイザを始めとする同社の仮想化関連製品はだいぶ熟成が進んできており、製品そのものよりもむしろコンサルティングやサービスなどの分野の重要性が高まってきている段階だということだろう。
一方で、すべてが昨年と同じ、と言うわけでもなく、今年は新たに“Software-Defined Enterprise”というコンセプトが打ち出された。もっとも、Software-Defined Enterpriseとは何か、という点について明確な定義付けがなされたわけではなく、むしろSoftware-Defined Data Centerを始めとした同社のこれまでのソリューションを活用することで成立する新たな企業像、といった感じのイメージのように思える。
まず、アプリケーション実行基盤となるITインフラは仮想化技術やクラウドサービスを活用して、ポリシーに基づいて自動運用が行なわれる柔軟な“Software-Defined Data Center”となる。この上で実行されるアプリケーションは、こうした環境を前提とした新しいアプリケーションだけではなく、従来型のアプリケーションであっても効率よく運用できなくてはスムーズな移行は実現できない。
さらに、このアプリケーションにアクセスする“エンドユーザーコンピューティング”のレイヤーも、仮想デスクトップの活用やモバイル対応など、新たな形に進化する必要がある。企業の業務ロジックである“アプリケーション”を中心に考えると、アプリケーションを実行するインフラとアプリケーションにアクセスするためのエンドユーザー側の両方が仮想化/クラウドに対応した最新のアーキテクチャに換わっていく必要があり、こうした環境を整えた企業が“Software-Defined Enterprise”と言える、というイメージで理解して良さそうだ。
こうした内容を踏まえ、同社の2014年の事業戦略は、「顧客満足度の向上」「IT as a Serviceの実現支援」「パートナー エコシステムの拡大」という3目標を掲げる一方、よりコンセプチュアルな取り組みとして「モバイル クラウド時代におけるお客様の成功のため“Software-Defined Enterprise”の実現を支援」するという。