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国内パートナー4社との協力、コンサルサービスや新しい認定資格も

ヴイエムウェア「ネットワーク仮想化事業」を国内で本格化

2014年04月25日 14時00分更新

文● 渡邊利和

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 4月24日、ヴイエムウェアは国内パートナー4社との新たなパートナーシップ締結を含む「ネットワーク仮想化事業」の拡大に向けた施策の発表を行なった。同社自身が提供するコンサルティングサービスの拡充や、新たな認定資格提供開始も含まれる。

SDNエコシステム市場は「今年から成長期に入る」と予測

 まず登壇した同社の代表取締役社長の三木 泰雄氏は、日本におけるネットワーク仮想化の状況に関する調査会社の予測を紹介し、「SDNエコシステム市場は2014年から成長期に入る」と紹介した。

ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木 泰雄氏

 同社の独自調査でも、大規模法人ユーザーが最も関心をもつテーマはネットワーク仮想化だったというが、一方でその導入には「導入・運用ノウハウの欠如」「技術者の不足」「見えないパートナーの実績」といった障壁があると指摘した。これに対応し、同社が打ち出した解決策が、「プロフェッショナルサービスの拡充」「経験豊富なパートナーとの支援体制」「ネットワーク仮想化認定資格制度の設立」の3つの取り組みとなる。

ネットワーク仮想化事業拡大に向けたヴイエムウェアの国内での取り組みの概要

 パートナー施策としては、グローバルで展開中の“Elite Initiative”(エリート・イニシアティブ)プログラムを国内でも開始し、国内パートナーとして伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、ネットワンシステムズ、日立製作所、富士通の4社が参加することが発表された。さらに、認定資格制度は2014年内にグローバルおよび日本で立ち上げられる予定となっている。

「スピード」「経済性」に加えて「セキュリティ」

 また、米ヴイエムウェアからはネットワーク担当最高技術責任者(CTO)のマーティン・カサド氏が参加し、ネットワーク仮想化に関する現状説明を行なった。

VMware, Inc. ネットワーク担当最高技術責任者(CTO) マーティン・カサド氏

 カサド氏はまず、IT業界全体の流れを「IT業界では、かつてハードウェアの機能として実装されてきたものを次々とソフトウェアによる実装に切り替えつつある」とまとめた。

 「ハードウェアは低コストかつ高性能な汎用品を利用し、ソフトウェアによって機能を実装していくという取り組みのアドバンテージは、GoogleやAmazon、Microsoftなどが運営する高効率なデータセンターが実証している」(カサド氏)

 もちろん、ネットワーク仮想化もこの流れの一環であるが、同氏が挙げた「ネットワークを仮想化するべき3つの理由」で目新しかったのは、一般的に語られる「スピード」「経済性」に加えて、もう1つが「セキュリティ」だったところだ。カサド氏は、従来型のセキュリティはアプリケーションレイヤとしてサーバ上で実行するか、ファイアウォールなどのネットワークデバイスとしてインフラレイヤで実行するかのどちらかだったが、ネットワーク仮想化環境ではハイパーバイザ上で実行するという新しいアプローチが可能になり、従来のやり方では実現できなかったより高度なセキュリティが実現できることを指摘した。

 ネットワーク仮想化の導入の理由としてセキュリティを挙げるユーザー企業はまだ少ないと思われるが、ネットワーク仮想化が様々な可能性を秘めているという指摘だと理解できるだろう。

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