スピーカーはコンパクト&ワイヤレスに人気が集中
NANOCOMPOのオラソニックは、もともとはUSBバスパワーで使えるコンパクトな卵形スピーカー「TW-S7」(実売価格8780円)でデビューした。コンパクトながらも優れた音質を実現し、その音のよさとコストパフォーマンスのよさでPC用からテレビ用とさまざまな分野で人気となった。
こうしたコンパクトなスピーカーは、もともとPC用の周辺機器と見られがちではあったが、スマートフォンや携帯音楽プレーヤー用のスピーカーとしても人気が出ていた。
家の外ではヘッドホン、家の中ではコンパクトスピーカーと、スマホがあれば省スペースで楽しめるスタイルに人気が集まった。
今年の大きなニュースは、そうした小型スピーカーの多くがBluetoothに対応し、ワイヤレス再生を可能にしたことだ。それまでは“ドック”と呼ばれるクレードルを使って有線接続するスタイルが多かったが、操作を行なうスマホは手元に置いたままで使えるワイヤレス再生が一気にブレイクした。
Bluetoothは、iPhoneなどのiOS端末、スマホのAndoroid端末、PCも含めたデジタル機器が数多く対応する規格のため、Bluetooth対応であれば、専用ドックの有無やアダプターなどを必要とせず、どんな機器とも接続ができる点も好評だった。
また、Bluetoothは規格上、音声の伝送は圧縮音声(標準はSBC、オプションとしてAAC、apt-Xでの伝送も可能)に変換して行なうため、音質にこだわる人からは圧縮による音質劣化を気にして敬遠されることも少なくなかった。
しかし、人気の高まりに合わせて、Bluetooth伝送の音質もかなり向上し、圧縮音声を意識させないレベルでの音楽を楽しめるものも増えてきた。
人気を博したモデルを挙げれば、ソニーの「SRS-BTX500」(関連記事)、ボーズの「SoundLink Mini Bluetooth speaker」(関連記事)。JBLの「CHARGE」などがある。
コンパクトさや音のよさで話題を集めたモデルだ。そして、目新しいところでは、オラソニックからも卵形スピーカーのBluetooth対応モデルが登場している(関連記事)。カジュアルに使えるモノラル仕様のモデルだ。
こうしたデスクトップで使えるコンパクトなワイヤレススピーカーの人気の向上は、ハイレゾ音源と並ぶオーディオ界の大きな話題だったと思う。
この動きは手軽に使えるBluetoothだけでなく、Wi-Fiで家庭内ネットワークに接続できる機器も増えてきた。しかも、KEFやELACといったHiFiスピーカーメーカーがワイヤレススピーカーを投入。HiFiオーディオの世界にもワイヤレスの時代が来ているのだ。