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2013年のAV機器業界はハイレゾ音源が熱かった!

2013年12月28日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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4Kテレビいつ買うの?
今!……じゃなくて来年3月ぐらい!?

現在のところ4Kテレビでお買い得なのは、ソニー「KD-55X8500A」。実売価格で37万円前後だ

現在のところ4Kテレビでお買い得なのは、ソニー「KD-55X8500A」。実売価格で37万円前後だ

 問題は買い時だ。筆者の予想では、4Kテレビの新モデルの登場は新しい消費税が導入される4月以降。ずばり言えば、W杯直前の夏のボーナス商戦向けとして、5月から6月にかけて発売されると思う。

 これらの新モデルは、希望的観測ではあるが登場時には1インチ=1万円だった4Kテレビがもうちょっと買いやすい価格になると思う。現行の4Kテレビは価格がこなれた現在でようやく1インチ=5000円前後になっている程度だが、2014年モデルも少し待てば同様の価格で買えるようになると思われる。これはこれでいい話だが、当然消費税が増えた後で買うことになる。

 そうなると、実用上の機能としては4K/60pに対応している現行モデルを2014年3月中に購入する方が、お得である可能性が高まる。このあたりは、早く手に入れたいかどうかの要素も大きいが、まだまだ決して安価とはいいがたい4Kテレビだけに、消費税導入前か後かの購入時期の検討はシビアなものになるだろう。

 BDレコーダーも、4Kテレビに合わせて大きく変わっていくだろう。おそらくは2014年秋から年末モデルと思われるが、上級機では4Kアップコンバート機能や4K放送の録画対応が盛り込まれるだろう。

 当然、HDMI 2.0対応だ。4K動画配信が予想以上に早く実現されれば、4Kコンテンツ購入のための配信サービスへの対応などもありうる。

 ちょっと不透明なのは、録画した4Kコンテンツのディスク保存だ。現状のBDは4K解像度はサポートしていないので、新規格が必要になる。記録容量もBDXLの100GBかそれ以上の登場(4層128GB)も求められるかも。

 もちろん、USB HDDなどに保存することもできると思われるので、特にBDの新規格や大容量メディアの登場に期待しない人もいるかもしれないが。

 BDレコーダーの4K対応は、誰にとっても必要な機能というわけではないので当面は上位機のみの対応ということになるだろう。とはいえ、機能的にも十分成熟したBDレコーダーだけに、やや新鮮味が減っている現在、新しい規格や4K放送への対応は良い意味でBDレコのカンフル剤になってくれるはずだ。

4Kテレビは安価なモデルが登場するだけじゃない!?
期待の次世代テレビも来る?

「4K画質の2Kテレビ」というものも登場。写真はシャープ「AQUOSクアトロン プロ XL」

「4K画質の2Kテレビ」というものも登場。写真はシャープ「AQUOSクアトロン プロ XL」

 4Kテレビが現在よりももう少し買いやすい価格になるということは上述したが、薄型テレビの低価格化競争によるメーカーの疲弊を考えると、4Kテレビで安易な価格競争を繰り返すようなことにはならないだろう。

 そのためには、より高い価格でも納得できる画質や機能が必要になる。

ソニーが2013年年明けに発表した56型の4K2K有機ELテレビ試作機。今年は製品が登場するのか!?

ソニーが2013年年明けに発表した56型の4K2K有機ELテレビ試作機。今年は製品が登場するのか!?

 そこで登場するのが、有機ELの4Kテレビだ。有機ELテレビ自体は、韓国勢のLGやサムスンが意欲的だが、大量生産が難しいということもあり、価格は高い。

 画質的なポテンシャルは高いものの解像度的にはフルHDのままのため、高解像度な4Kテレビに対して大きなアドバンテージを得られていない。

 ならば、有機ELも4K化するのが正解だろう。韓国勢だけでなく、国内メーカーでも有機ELの4Kテレビは準備が進んでいて、おそらくは試作モデルが2014年初頭の「CES」(北米で行なわれる世界規模の家電見本市)で登場するという噂もある。

 となれば、遅くとも年内の発売も期待できそう。当然ながら価格は飛び抜けて高くなると思うが、自発光デバイスである有機ELの画質は楽しみでもある。

 つまり、比較的手に届く価格の4K液晶テレビと、高級機となる4K有機ELテレビというラインナップが生まれてくるのが2014年のテレビ市場。4Kテレビが本当に売れるかどうかは予想しにくいが、ロードマップ的には2020年には8K放送が待っているわけで、時代は着実に4K化、8K化に向けて進んでいくだろう。

 ハイレゾを中心としたオーディオ界の話題が大きかった2013年だが、テレビでも着実に次の時代の波が訪れていることを実感した1年だった。

 来年以降は「映像は4K、音はハイレゾ」という、ダブルで高解像度な世界が本格的に普及していくものと期待している。個人的には、今年は新居とシアター専用の部屋を手に入れたことが最大のニュースだったので、来年以降はシアターに置く設備の充実に邁進したいと思う。

 2013年もさまざまな記事のご愛読ありがとうございました。また、2014年も最新の話題や興味あるニュースをお届けしていくので、よろしくお願いいたします。

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