実売で7万円超となるウォークマン最上位モデルの「NW-ZX1」が予想以上の人気のために入手困難な状況が続いているという(関連記事)。
Android搭載で高機能なモデルとはいえ、ちょっと驚きの事実だ。その原因は、やはり「ハイレゾ対応」と言っていいだろう。
今年のAV市場を見ていくと、テレビやBDレコといった映像機器にも復調の兆しはあるものの、元気があったのはここのところ堅調だったオーディオ機器だ。
そんなAV業界の1年を振り返り、来年の動向を予測していこうという年末恒例の企画。来年は春には消費税導入も予定されており、駆け込み需要の増加やその後の需要減への対応で早々から大きな動きがあると思われる。
ソニーのハイレゾ本格参入で
ハイレゾ音源は一気に身近な存在へ!!
オーディオ界の最大のニュースといえば、ソニーがハイレゾ対応オーディオ機器を一気に投入してきたことだ(関連記事)。
いわゆる高級コンポーネントから、ミンコンポ的なカジュアルなシステムまで取りそろえ、しかもウォークマンでもハイレゾ対応モデルを発売と、幅広いラインナップを揃えてきた。
しかも、ウォークマン公式ミュージックストアである「mora」でもハイレゾ音源の配布を開始。ソフトとハードの両輪が揃った展開は、CDやスーパーオーディオCDのような新しい音楽メディアの登場時のような盛り上がりを見せた。
こうしたハイレゾ対応の動きは、ほかのオーディオコンポーネントでも急速に進んでいる。
PCと組み合わせて使いやすい
小型のコンポが人気
ハイレゾ音源は、基本的にはインターネットで配信されているハイレゾ音源をPCでダウンロードし、そのままPCをプレーヤーとして音楽再生を行なうスタイルが主流だ。
そのため、コンパクトなノートPCや机の上で使うデスクトップPCと組み合わせやすい、小型のコンポが続々と登場した。PC内のハイレゾ音源をデジタルデータのままUSBから取り出し、PCのノイズの影響を受けずに高音質なアナログ音声へと変換するUSB DACと呼ばれる機器は、本格的なフルサイズのものよりも、PCに合わせたコンパクトサイズのものの方が多い。
そうしたコンパクトなオーディオコンポでも、大きな話題を集めたのがオラソニックの「NANOCOMPO」シリーズだ(関連記事1、関連記事2)。
そのサイズはおよそCDジャケット3枚分というサイズで、ヨコ置き/タテ置き自由な作りのため、机の上でも最小のスペースで音楽を楽しめる。
しかも、音質は本格的。フルサイズの高級コンポーネントを知る人も唸る実力であり、まさにこれからの時代のオーディオコンポの在り方を提案した。その1号機でもあるUSB DAC内蔵プリメインアンプ「NANO-UA1」が「グッドデザイン賞」に輝いたというのもその証と言える。
このシリーズは、今ではプリメインアンプにCDトランスポート、ヘッドホンアンプ、パワーアンプとすでに一通りのシステムが出揃い、同サイズ、同デザインでコンパクトで高品位なコンポーネントを構成できる。