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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第12回

「てさぐれ!OPパロ」が流行直前? pixivは女性人気のマギ&弱虫ペダルも

秋アニメ人気は本命キルラキル、対抗黒子&アルペジオ!?

2013年10月24日 11時00分更新

文● myrmecoleon

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この連載では、独自に収集したデータを使って、みんな知ってるようで知らないニコニコ動画の現在を紹介していきます。第12回は10月からはじまった新アニメ特集。今期はどんなアニメが人気になるのでしょうか。前回から始まった「ニコ動人気タグトレンド」もありますよー。
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筆者紹介:myrmecoleon

 明治大学米沢嘉博記念図書館スタッフでニコニコ学会β幹事。趣味で同人誌やニコニコ動画関連の研究をしてる人。記事に使ったデータ元の『ニコニコ統計データハンドブック2013』など同人誌をコミケで頒布。ブロマガでは連載記事の補足も。
 Twitterアカウントは@myrmecoleon。関わった近著に『進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』(イースト・プレス刊)。右の画像は筆者を擬人化?して描いてもらったキャラ「ありらいおん子」。男の娘。

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まだ始まったばかりの10月期アニメの二次創作

 10月も半分が過ぎましたので、今回は10月開始テレビアニメのニコニコ動画・pixivでの人気動向などを調べてみました。まず10月前半にニコニコ動画のアニメカテゴリで投稿された作品名タグごとの動画数をご覧ください。

10月1日から16日までに投稿されたアニメカテゴリの動画から各タグの動画数。削除・アニメタグのついてない動画は除く。対象は10月より新規のアニメが開始された(2期等含む)のものを示すタグ。複数のタグが存在する場合はもっとも動画数の多いものを採用

 投稿数としてはTRIGGERの新作アニメ「キルラキル」の動画が多いものの、半月で100前後と、まだ明確なブームにはなっていません。動画としてはMAD動画が若干出ており、「キルラキルMADリンク」タグなどで探せます。

 次に多い「黒子のバスケ」は今回アニメ2期が開始となったものですが、昨年の様々な騒動が思い返されるように、以前から人気の高い作品です。ついで京アニ新作の「境界の彼方」、ヤングキングアワーズ連載作品のアニメ化「蒼き鋼のアルペジオ」などの投稿が多いようです。

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 参考までにpixivでの各作品タグの10月前半の投稿数をみると、若干違う傾向ですが、従来から女性人気の高い「黒子のバスケ」「マギ」「弱虫ペダル」などを除けば「キルラキル」「境界の彼方」の人気が高いようです。キャラ的にはいまのところ「キルラキル」は纏流子、「境界の彼方」は栗山未来と、主人公キャラのイラストが多いようです。

10月1日から16日までに投稿された各タグのイラスト数。削除は除く。検索は完全一致。対象は同じく10月より新規のアニメが開始された(2期等含む)のものを示すタグで複数のタグが存在する場合はもっとも動画数の多いものを採用

 ニコニコ動画でおもな作品タグの動画投稿時期の分布を見てみると以下のようになります。

 新作アニメ関連の動画の投稿は、動画投稿の多い土日ではなく、やはり放送日やその翌日に動画投稿が増える傾向が強いようです。

 たとえば10月2日の深夜よりTOKYO-MX等で放送開始した「境界の彼方」は10月3日の投稿が非常に多かったものの、以降は投稿数が減少しています。同様に現在も初放送日前後の投稿数がピークなのは「凪のあすから」があります。期待度は高いものの、継続して動画人気を支えるような要素がまだ見つかっていない、ということかもしれません。

10月開始アニメ9作品の関連タグの動画投稿数の日毎分布。こちらはアニメカテゴリ以外も含む。ピークになる時期の日付をラベルでつけた

 「キルキラル」のほか、安定して投稿されてる作品としては「蒼き鋼のアルペジオ」が挙げられます。こちらは相性の良さや公式コラボの影響から艦これとのコラボ動画があるのが大きそうです。またコミックアライブ連載作品アニメ化の「のんのんびより」関連も放送日に限らずよく投稿されているようです。

 「ガンダムビルドファイターズ」は10月7日が初放送日でしたがノーマークだったのが口コミで広まったのか2話放送前後に投稿ピークが来ています。相性が良いためプラモ・フィギュア系の動画がいくつか上がっています。

 同様に2話でピークが来ている「機巧少女は傷つかない」はED曲「回レ!雪月花」が2話で初登場した関係。こちらはすでに20以上の関連動画が出て小ヒットしています。作詞作曲はニコ動でも知られるヒゲドライバー氏。

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 放送日とずれて投稿ピークを迎えている「東京レイヴンズ」は、第1話の台詞ネタ「ち○こもいじゃうから☆」がヒットした影響。9日に該当箇所の動画が上がり、10日にMADがいくつか投稿されました。

 MADネタ系でヒットしている作品として特に挙げられるのは「てさぐれ!部活もの」。「gdgd妖精s」「直球表題ロボットアニメ」の石舘光太郎監督の3DCGアニメの新作で、プレスコ方式の声優さんが好き勝手話すいつものノリですが、今回は手描きアニメ風のタッチで比較的普通のアニメとしても見やすくなっています。

 特にこの作品のOP曲「Stand Up!!!!」の「さぁカメラが下からグイっとパンして」「タイトルロゴがドーン!」とよくあるアニメOPの構成をパロった歌詞がウケており、「てさぐれ!OPパロ」タグから動画が探せます。

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「てさぐれ!部活もの」は1話無料配信がないのでこちら。面白いので騙されたと思って1話を見てみるのをオススメ

 今期は二次創作人気的にはまだ突出した作品が出ておらず、いまのところはアニメ本編や関連のラジオ番組の動画、あるいは今期のアニメ紹介動画や比較的簡易に作れる「主題歌差し替えMAD」や「中毒になる動画シリーズ」(ループ動画)がおもに見られているようです。

 そうした中でも「てさぐれ!OPパロ」「ち○こもいじゃうから☆」「回レ!雪月花」といった小ヒットがいくつか出てきており、まだまだ(二次創作的な意味で)どこから来るかは分からないところです。

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