腕時計は19世紀の後半に誕生し、それまでの懐中時計とは異なり、常に腕に装着しておくことで、いつでも現在時刻を知ることができるのが大きなアドバンテージだった。
機敏性や正確性、同期性を要求される団体行動である軍隊では、腕時計は兵士の必携アイテムとなり、みるみるうちに進化した。そして量産によるコスト低減で一般の人たちも日常的に使う道具となったのだ。
日時計からはじまった正確性の追求は、その後の100年で、ゼンマイ式の機械式腕時計を生み、自動巻やカレンダー機構を生み、正確なクォーツ式とほぼ同時に生まれた24時間を明確に区別できるデジタル表示腕時計、より正確性を追求した電波時計まで進化した。情報共有の基本線は今でも正確な時間であることはかわりがない事実なのだ。
しかし、常時ネッワークに繋がった携帯電話の普及によって“正確な現在時刻を知る”という腕時計の最大の機能は奪い取られ、腕時計は新しいニーズの開拓を迫られる時代となった。
正確な時刻を知ることへの技術革新はほぼ頂点に達し、腕時計は個性的なデザイン化と高級化、そして多機能化への道を歩むこととなる。
百花繚乱のスマートフォンやタブレット端末が入り乱れた現代の“多機能腕時計”の尖兵が“スマートウォッチ”だろう。
筆者が海外での発売日に戦略的衝動買いしたのはソニーの「SmartWatch 2(SW2)」という新商品だ。当コラムで過去にご紹介した「LiveView」(2010年12月)や「SmartWatch (MN2)」(2012年7月)の後継機種にあたる3代目だ。
スクリーンサイズがより大きな1.6インチ(220×176ドット)となり、防滴仕様、一般的なAndroid端末に対応した。残念ながら10月13日現在、日本国内での発売は未定だ。
NFC対応で進化した「SmartWatch 2」
筆者の購入した海外版パッケージの中には、日本語を除く複数言語のセットアップガイドや充電用の短いmicroUSBケーブルが同梱されている。前モデルのSmartWatchやPebble Watch(Kickstarter)はいずれもがユニークな接続端子付きの専用USBケーブルで、長期の出張や旅行にはケーブル持参が原則となり極めて不便だった。
SmartWatch 2は本体側面のカバーの奥に標準的なmicroUSBポートが用意され、やっと普通のAndroid端末の仲間になった。
他社の同等製品も含め、多くのスマートウォッチの利用目的は、スマートフォン本体機能のリモートコントロールやコンテンツのリモートビュー、スマホの受信データによるアラート受信機能などだ。そのため、必ずスマートフォンとSmartWatchの間では何らかの無線通信技術を利用するのが普通だ。
SmartWatch 2ではスマートフォンとの通信に標準的なBluetooth無線通信を使用するが、接続相手が同じソニーの「Xperia」の場合、SmartWatch 2とXperiaの背面同士をくっつけることで、NFC(Near Field Communication)機能によりBluetoothのペアリングまでやってくれるので設定は極めて簡単だ。
また、SmartWatch 2の初回起動時のみ、SmartWatch 2の初期設定が自動的に行なわれ、ユーザーの手間を大幅に省いてくれる。NFC対応の他社製Androidスマホの場合、マニュアル操作によるBluetooth接続や、Google Playからソニー製の「スマートコネクト」や「SmartWatc 2 SW2」などのアプリをダウンロードし、導入する作業が必要な場合が考えられるだろう。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。

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