myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第10回
V3発売日記念!「初音ミク」をデータで解説
「アイドルマスター」はニコニコ動画の遊び方を作った
2013年09月26日 11時00分更新
V3版発売を機に「初音ミク」タグの6年間を振り返ってみる
いつものピックアップに代わって、今回は本日発売となったVOCALOID3版初音ミクにちなみ、ニコニコ動画における過去6年間の「初音ミク」タグについてデータで振り返ってみます。
初音ミクは言わずと知れたVOCALOIDのひとり(第1回参照)。これまでに数万曲のオリジナル曲を歌い、国内外でライブも開催、先月のマジカルミライでは横浜アリーナのステージで1万人を前に歌いました。
初音ミクの発売は2007年8月31日ですが、8月中の投稿はほとんどなく、翌9月から動画の投稿が始まっています。10月には1000名以上の新規投稿者が出ており、2008年はじめまでは劇的な数の動画が投稿されていました。
それ以降は劇的なブームが落ちついたのか投稿数は落ちていきますが、2009年8月に2周年とともにミクAppendが発売され投稿数が増加、また連載第2回で紹介したとおりこの時期からボカロ曲の歌ってみたが増加しており、その影響か新規投稿者数の増加もやや上向きになっていきます。
2012年後半以降はやや新規投稿者数が減少傾向にあります。「初音ミク」タグの動画は14万5000以上が投稿され、約3万5000名の投稿者がいます。
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初音ミク V3クリプトン・フューチャー・メディア
「初音ミク」タグの動画について、並んで付いていることの多い主なタグの比率を各年前後半毎に示したのがグラフ4です。いずれも内容を示すタグが動画に必ずしも適切に付いているわけではないですが、一定の参考としては使えます。
初音ミクの動画のカテゴリタグは従来は「音楽」タグが多かったのですが、2009年10月に「VOCALOID」カテゴリ創設後はそちらで投稿されることが一般的です(2012年末時点のタグなのでそれ以前の投稿分でもすでにカテゴリが置き換わっている動画も多いです)。初期に「歌ってみた」タグの比率が多いのもかつては「歌ってみた」のカテゴリで初音ミクを歌わせた動画がいくらか投稿されてた影響です(若干ですが初音ミクの楽曲の歌ってみた動画に付けられてるケースもあります)。
「ミクオリジナル曲」タグの比率は初期は2割ほど、2010年にかけて増加して現在は4割弱で安定しています。一方で2008年頃までは既存曲を初音ミクでカバーした動画も多かったのですが、近年はだいぶ少ないようです。傾向としてはオリジナル曲の投稿が多いようです。
初音ミクブーム初期は前ページのアイドルマスター動画の影響もあり、なんとかしてミクを3Dアニメ化して歌って踊らせたいとする動きがあり、「VOCALOID3D化計画」のタグで動画がよく投稿されていました。
これが「MikuMikuDance」の公開につながり、以降は「初音ミク」タグ中のMMD動画の比率は増加、現在は2割ほどがMMD関連の動画となっています。
同様に3Dアニメーションで初音ミクに踊ってもらえるセガの「初音ミク -Project DIVA-」シリーズ関連の動画も2009年の発売以降、多くはありませんが継続的に投稿されています。
アイドルマスターや初音ミクの人気は、さまざまなニコ動文化やMikuMikuDance・UTAUといった動画制作ツール登場のきっかけとなり、この6年間でさらに新たな世界を拡げていきました。そして本日初音ミクV3が発売となり、アイドルマスターも今後の展開が噂されています。これからも見たことのない世界を拡げてくれるでしょう。
こちらも先駆的なニコニコ動画のデータ分析動画。2007年の頃の空気を感じる動画。台詞を一部VOCALOIDにしゃべらせたり、再生数の大きさを富士山ほかの高さで説明したりと意欲的な演出がされている。同じ投稿者のオーケストラアレンジシリーズは良作 |
この連載がちょっと読みやすくなる用語解説コーナー
■タグ ニコニコ動画で動画に視聴者が自由につけられる短いキーワード。ニコ動で動画を探すさいはこのタグで検索すると便利。
■カテゴリタグ 「ゲーム」「歌ってみた」「VOCALOID」など、タグの中で特別な30個のタグ。公式ランキングが存在するなどいくつかの機能がある。
■マイリスト ニコニコ動画の一機能。好きな動画を自分のリストに登録できる。このマイリスト登録数は、動画の再生数やコメント数とともによく評価の対象とされる。
■プレミアム会員 ニコニコ動画の有料会員のこと。動画の視聴や投稿、ニコ生の配信等にさまざまな優遇がある。
■中央値 順番に並べてちょうど真ん中になる数値のこと。動画の再生数等は正規分布してないため、平均でなくこちらが実態をよく反映している。
※このほかにも、わかりづらい用語・言い回しがあれば、記事タイトル直下のツイートボタンから気軽にご一報ください!
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