秋の夜長にいい音楽を！　至高のPCスピーカーを選ぶ 第1回

6000～2万円台でも驚きの高音質PCスピーカー7選

高音質でしかもワイヤレス接続にこだわる！
そんな人にはWi-Fiモデルがおススメ

　USB DAC内蔵スピーカーの次は、Wi-Fiによるワイヤレス接続モデルだ。Wi-Fiによる音楽再生は、伝送時に信号を圧縮するようなことはないので、非圧縮のwav形式やロスレス圧縮で音楽を楽しんでいる人には有利と言える。

　ネットワーク接続が多少やっかいかもしれないが、最近はWPSなどの簡単接続が普及してきているので、比較的簡単に使えるようになっている。

マユのようなオシャレな外観
音質もスゲー！　デノン「Cocoon Portable DSD-300」

マユのようなラウンドフォルムを採用。中央のディスプレーは曲名表示も可能で、日本語表示も行なえる

　そんなモデルの代表格がデノンの「Cocoon Portable DSD-300」（実売価格2万5000円前後）。幅352mmとサイズはやや大きめになるが、バッテリーを内蔵し約5時間の連続再生が可能なポータブルモデルだ。

　ネットワーク接続は有線でも可能で、DLNAによるPCやネットワークHDD、DLNAサーバー機能を持つスマホの音楽再生を楽しめるほか、インターネットラジオ機能も備える。対応する音楽ファイル形式はMP3、WMA、AAC、WAV、FLACと実用上十分だ。

前面のディスプレー部は引き出すことができ、iPodドックが出てくる。ただし、旧モデル用の端子のため、Lightning搭載モデルは接続できない

背面には持ち運びようの大きなくぼみがある。ここに指を入れると安定して持ち上げることができる

背面にはEthernet端子やアナログ音声入力などがある

　再生は本体のタッチ式ボタンなどのほか、スマホの専用アプリを使った操作も可能。DLNAクライアント機能は曲目の選択なども含めて、スマホアプリを使うほうが便利だろう。

　Wi-Fi接続ということもあるが、Bluetoothと比べると伝送時の劣化がないという優位性があり、情報量豊かな音が楽しめる。

　しかも、本機の内蔵する25W＋25Wのデジタルアンプや内蔵スピーカー（口径100mm×2）の作りがよく、HiFi調の自然で忠実感のある音を再現する。

　解像感が高く音色の細かい部分まで描くのに、変にエッジが立ったり、高音域にクセっぽさを感じることもない。クラシックなど、アコースティック楽器の自然な音色をリアルに楽しみたいという人には最適な音色だ。

　Wi-Fi接続は多少入門者にはハードルが高いとも感じるが、今やスマホなどのおかげでWi-Fi環境はかなり普及しているのであまり心配する必要はないだろう。

入門者はもちろんワイヤレスの快適さを重視したい人に！

　Bluetoothスピーカーから、USB DAC内蔵スピーカー、Wi-Fiスピーカーまで一通り聴いてきたが、いずれも優秀なモデルを選りすぐったこともあり、「もう、PC音楽再生環境は十分なのでは？」と思えるものが多かった。

　PCでの音楽再生の魅力のひとつである手軽さを考えるなら、ワイヤレスは欠かせないもので、そこを重視するならば今回のシステムはかなりオススメ度が高い。有線接続となるUSB DAC内蔵スピーカーは、価格の安価なところが大きな武器だろう。価格にはわりと差があるが、絶対的な音のクオリティーでは大きく変わることはない。このコストパフォーマンスの高さも捨てがたいところだ。

　次回はさらなるグレードアップを考え、本格的なアクティブスピーカーを選りすぐって紹介していく。

　基本的にアナログ接続となるアクティブスピーカーの場合、PC内で発生するノイズの影響などの問題もあるものの、ハイレゾ音源の再生も楽しめるなど、可能性が大きく広がってくる。このあたりに注目してほしい。

■関連サイト

• ボーズ「SoundLink Mini」
• Edifier「E30」
• クリエティブ「Airwave HD」
• ソニー「SRS-BTX500」
• JBL「PEBBLES」
• オラソニック「TW-S5」
• デノン「Cocoon Portable DSD-300」