なーんだ、またアプリか。「高級ハンドメイド・エフェクターでしか成し得なかったこの領域」って、煽りとしてすごいな。「オール・ディスクリート回路」って、アルゴリズム的にどう違うのかしら?「電池駆動ながら200Vという高電圧で真空管をドライブさせる新開発“Hi-Volt”」ね。へえーっ、そういう設定なんだ。
カラフルなボディカラーと遊んだネーミング、若干のスチームパンク臭を感じるグラフィックに、なにやら空想めいた仕様。すでにバーチャルとリアルの区別も付かなくなったダメ人間にとっては、まるでタッチスクリーンの向こう側から抜け出してきたような唐突感すらありました。
つまり、実際に足で踏んでいるビデオを見るまで、iPadか何かのアプリだと思い、私はナナメに見ていたと。そういうお話です。VOXの新しいコンパクトエフェクター「ToneGarage」シリーズは、それが本物だったというところが、まず衝撃でした。
楽器に興味のない方に説明しますと、これらはギタリストやベーシストがステージの足元に置いて、たまにプチッと踏んでいるアレです。それでストンプボックスという名前が付いているわけです。これで歪み方を変えたり、エコーのかかり具合なんかを操作しているわけです。