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ネットアップが考える失敗しないフラッシュ活用術 第1回

ストレージを変革するフラッシュの真のメリットとは?

万能デバイスって本当?フラッシュにまつわる5つの誤解を解消

2013年07月26日 13時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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誤解その4 フラッシュはすべての用途に万能

 高いI/O性能を持つフラッシュを用いれば、すべてのアプリケーションは一気に高速化すると思われがちだ。確かに、今までボトルネックとなってきたデータの入出力が向上するため、さまざまな場面で効果を実感できるだろう。しかし、フラッシュが得意とするのはあくまでランダムリードの分野にとどまる点を理解しなければならない。

 とはいえ、ランダムリードのみ行なうアプリケーションは存在しない。そのため、実際はワークロードにあわせて、フラッシュの配置を工夫したり、読み出し/書き込みのいずれを重視するのか、容量やコストとのバランスを考え、適材適所で利用する必要がある。ワークロードごとの最適化を手がけなければ、コスト面や容量面でゆくゆくは無駄が生じてしまうことになる。

 たとえば、単体のDBを高速化する場合、素直にサーバー側のメモリを増設した方がよいケースも多い。1次メモリにキャッシュすることで、低速なストレージへのI/Oを減らすことができるからだ。一方、複数のDBを統合した場合には、大容量フラッシュをストレージ側に用意した方が有利なパターンもある。そもそもサーバーのメモリスロットには限界があり、容量を確保するのがコスト的に困難だからだ。このように同じDBであっても、ケースバイケースの使い道があることを意識した上で、フラッシュ導入を考えることが重要というわけだ。

誤解その5 フラッシュ以外にも追加投資が必要

 また、フラッシュ以外に追加投資が必要になるという誤解もある。もちろんSSDを既存のHDDと同じディスクとして扱うのであれば、既存のソフトウェアでも問題ない。しかし、実際は性能、耐久性、信頼性などあらゆる面でHDDとフラッシュは異なる性格を持っているため、ソフトウェア面での対応が重要になってくる。フラッシュ前提のストレージのために、ソフトウェアをイチから開発しているベンダーも多い。

 しかし、フラッシュを導入すれば、すぐに利用できるという製品も多い。ネットアップの場合も、Data ONTAPが古くからフラッシュをサポートしており、別途ライセンスも不要だ。Flash Cacheとして使うのであれば、データを流し始めれば、リアルタイムでアクセス頻度の高いデータをフラッシュ上にキャッシュできる。Flash Poolも同様に、アクセス頻度の高いデータを自動的にSSDに配置してくれるので、こちらもHDDへのアクセス頻度が減少していくことになる。

 このようにフラッシュの存在を意識しないで導入できる製品も増えている。導入の障壁は意外と低いという点を理解しておきたい。

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 今回はネットアップの製品をベースにフラッシュ導入の障壁となる誤解を解いてきた。性能面だけに注目が集まるフラッシュがどのようなメリットを持ち、どのような弱点を持っているか理解できただろうか? 次回は実際のデータを見ながら、適材適所のフラッシュ導入についてさらに理解を深めてみよう。

■関連サイト

(提供:ネットアップ)

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