6秒動画の共有アプリ「Vine」にAndroid版が登場して1週間あまり。その普及スピードは特筆すべきもので、米TechCrunchによるとiOS版はリリース後数日で人気NO.1アプリとなり、Android版もソーシャルアプリ部門でトップに。無料アプリ全体でも「Instagram」をおさえ4位となっている。New York Timesのコラムニスト・Nick Biltonも、ツイッター上でのリンクやリツイート数などを合わせた「共有数」でも、「Vine」が「Instagram」を上回っていることをツイートした。
このように急激なユーザーの拡大を見せているだけに、マーケティングなどビジネスでVineを活用しようという動きが今後活発になっていくのは間違いない。現在でもすでにプロモーションで利用されている例は多くある。
まずは、映画のティザームービーとしての活用。動画だけに映像作品との親和性は高く、公式サイトやYouTubeを使わずに手軽にティザームービーを流せるとなれば広告効果はかなり期待できる。実際にこれをプロモーションで使ったのは「Wolverine(ウルヴァリン)」というX-メンの一員であるヒーローが主役のアクション映画。
セリフや説明は一切なく、しかし映画のエッセンスを6秒に詰め込んだこの動画はコアなファンに好評だという。監督のジェームズ・マンゴールドは、このティザームービーを「Twitter」+「Teaser」として「Tweaser(トゥイーザー)」と呼んでいる。
企業でVineを使ったプロモーションを展開しているのが、DoveやGeneral Electric(GE)。ユニリーバのスキンケアブランドであるDoveは、製品を使った遊び心あふれる動画を公開している。ボーリングのピンに見立てて奇麗に並べられたDoveのボディーソープやシャンプーのボトルに、Doveの石鹸がボウルのように接近。なんとかストライクを取るというものだ。
GEは6秒間の中に数十枚の設計図を高速のスライドショーのように見せる動画を作成。印象付けることに成功している。
日本ではポカリスエットがVineを活用。6秒間で30コマというストップモーションムービーを作成した。なお、撮影を担当したのは映画「ゴジラ」シリーズなどでも撮影を手がける東宝映像美術の桜井景一氏だ。
6秒の動画を共有するという目新しさと、ツイッターと連携できるという手軽さ。さらに、ネット上にあふれるGIF画像の数々を見てわかるとおり、短い動画作品は表現意欲をかきたてやすいこともある。一般ユーザーへ驚くべきスピードで普及しているのと同様、Vineを使ったプロモーションがありふれたものになるのも、そう遠くないといえるだろう。