「いい手応えを感じている」「これに勝る製品はない」
日本マイクロソフトのタブレット「Surface Pro」が発売となった6月7日、東京・赤坂のビックカメラ赤坂見附駅店に、日本マイクロソフトの樋口泰行社長が訪れた。

「Surface Pro」

左がビックカメラ 宮嶋宏幸社長。右が日本マイクロソフト 樋口泰行社長
樋口社長は、開口一番、「Surface Proの予約状況に、いい手応えを感じている。3月15日に発売したSurface RTに比べて、Surface Proの予約期間は半分。それにも関わらず、予約数は2倍以上になっている。量販店からも、これだけの短期間での予約数は過去に例がないといわれた」と語り、「Surface Proは、既存のPC資産が利用できる一方で、キーボード、マウス、タッチに加えて、新たにペン入力にも対応する。タブレットとしても、PCとしても利用でき、これ1台ですべてができる」などと、Surface Proの特徴を訴えてみせた。
一方、ビックカメラの宮嶋宏幸社長も、「Windows 8 Proを搭載し、Officeを搭載して、9万9800円という価格は、同じ機能を搭載したノートPCに比べても4万円以上安く、売りやすい製品だといえる。質感、高機能、価格においては、これに勝る製品はないと期待している」とした。
ビックカメラでは、ソフマップ、コジマを含めて、国内最大規模となる人数で、Surfaceに関するトレーニングを受けた店員数を誇るとしており、「利用者のニーズにあわせてSurface ProとSurface RTを提案できる」(宮嶋社長)と語る。
「Surface Proの発売を待ちこがれていたお客様が多く、予約件数も多い。企業ユーザーにも販売していける製品」と、Surfaceの販売拡大に意欲をみせた。
ビックカメラ赤坂見附駅店では、3階のPC売り場の下りエスカレータ前にSurfaceを展示。その奥にiPadやAndroidを展示している格好だ。発売日にあわせて、同店がSurfaceの販売に力を注いでいることを示す内容になったといえよう。
なお、Surface Proの発売日は、ビックカメラ赤坂見附駅店のオープン日でもあった。同社は開店日の目玉製品として、発売日が同じだったSurface Proの展示に戦略的に力を注いでいたともいえる。
樋口社長もこれに応えるように、「品薄を起こさないサプライチェーンを確立した。サービス体制もしっかりと構築している」と、供給および保守といった、ハードメーカーに求められる要件にも万全の体制で臨むことを強調。この日、ビックカメラ赤坂見附駅店において、ポケットマネーで、自分用のSurface Proを1台購入した。
PCの生産性/機能が求められる
タブレット競争の第2フェーズ
樋口社長は、今回のSurface Proの登場を「Surfaceの本命」と位置づけ、販売拡大策にこれまで以上に力を注ぐ姿勢をみせる。
「夏商戦としては、過去最大規模の広告宣伝費を投入し、その中でもSurface Proに比重を置くことになる」とする。
そして、Surface Proによって、「タブレット競争の第2フェーズに入る」という表現を用いて、新たな市場の中でマイクロソフトが優位性を発揮できることを強調する。
樋口社長が語る第2フェーズとは、PCの機能を持ったタブレットが求められるような市場環境を指す。
第1フェーズは、タブレット市場を開拓したアップルのiPadが席巻したことは誰もが認めるものだろう。タッチ操作による新たなユーザーインターフェースの実現やアプリを配信するビジネスモデルなどが、それによって確立した。
だが、それらを活用したユーザーが不満に感じたのは、PC並の生産性や、ビジネス用途で求められるセキュリティ機能などの実現。また既存のPC向けアプリケーション資産の活用などを求める声もあった。そうしたニーズが高まるのが、樋口社長がいう第2フェーズである。
そして、それらのニーズを実現するのが「タブレットのようなPC」で売り出すSurface Proということになる。
樋口社長が、Surface Proを本命と位置づけるのも、第2フェーズの牽引役を、Surface Proが担うと考えているからだ。
「Surface Proは、購入したみなさんの期待を裏切らない製品になる。PCの流れを組んだ新しいタブレットであり、これによってタブレット競争のフェーズ2で、マイクロソフトの存在感を高めていく」などと語る。
いよいよ発売となった「Surfaceの本命」は、出足は順調といってよさそうだが、樋口社長がいう第2フェーズはまさに始まったばかり。この出足を加速できるかが鍵になる。
