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実はWindowsタブレットがお買い得?

MS、iPadとWin 8/RTタブレットの製品比較サイト

2013年06月03日 10時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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 比較広告といえばAppleのお家芸だったと記憶しているが、最近はライバルらがApple製品を比較対象とするのがトレンドらしい。Microsoftが、「Windows vs. iPad: Compare tablets」と題したiPadとWindows 8/RTタブレットの製品比較ページを公開した。

WindowsタブレットとiPadを改めて比較してみる

 比較対象となっているのは、第4世代iPadにあたるApple「iPad Retinaディスプレイモデル」(Wi-Fi、64GB版/32GB版)で、Windows側は「ASUS VivoTab Smart」「Dell XPS 10」「HP ENVY x2」「Microsoft Surface RT」のいずれか4製品。タブを選択することで、4製品と第4世代iPadのスペックを細かく比較できる。項目も一定ではなく、着脱可能なキーボードが付属する“ディタッチャブル”型の製品HP ENVY x2については、きちんとキーボード対応の項目が出現する念の入れようだ。

公開された「Windows vs. iPad: Compare tablets」の製品比較ページ


 詳細は実際にページにアクセスすると分かるが、薄さ、バッテリー駆動時間、重さ、ディスプレーサイズ、外部ポートの有無、周辺機器対応(プリンター)、無料のクラウドストレージ容量、対応するOfficeソフトウェア、マルチユーザー対応、同時起動が可能なアプリ数、価格といった項目が並んでいる。サイズや重量、バッテリー駆動時間、価格以外は製品コンセプトが異なるため一概には比較できないものだが、Windowsの強みをアピールしているという点においては十分に意味があるだろう。

 こうして改めて両製品を比較してみると気付くのは、意外とiPadとWindowsタブレットでサイズ/重量といったスペック上の差異が見られない点だ。ENVYのようにバッテリー駆動時間が14時間と際立っている製品もあるが、基本的には横並び。このあたりは各OEMメーカーの努力の差によるところが大きい。

 一方で、それ以外の比較項目ではWindowsの長所を端的に表しており、例えばプリンター対応については従来の製品の多くがそのまま利用できる。iPadが正式対応するのはAirPrint対応プリンターのみで(多くはHP製品)、あとは個々のアプリの仕様に依存している。

 Officeアプリは、Windows RTの場合「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」が標準でプリインストールされており、Windows 8についてもバンドルモデルや別途購入で容易に導入できる。しかしiPadでは、「Office Web Apps」経由での簡易編集のみ対応で、アプリによる正式サポートはOneNoteのみだ。また、iPadではLightning(およびDockコネクター)経由での周辺機器接続のみに対応し、USBやHDMI、SDカードスロットなどは専用アダプターを必要とする(iPadではどちらかといえばBluetoothやWi-Fi接続を利用するケースが多い)。

 同時起動可能なアプリの数について、iPadでは現在画面に表示されているアプリ(フォアグラウンド)以外はスリープ状態でメモリーに格納されており、つねにひとつしか動作しないようになっている。アプリを切り替えた場合、それまで正面で動いていたアプリもしばらくは動作を継続するが、一定時間経過するとやがて動作を停止する。これはひとつのアプリのみが動作するシングルタスク動作に限定されているためだ。

 Windows 8/RTでは「モダンUI」と呼ばれる新しいアプリでもiPadと同様の動作形態を採用しているが、「スナップビュー」と呼ばれる縦に細長い縮小画面でアプリが動作するモードがあり、メインで動作するアプリと合わせてふたつ同時に動作させることが可能な機能がある。

 また、現在開発中の「Windows 8.1」では画面を2分割してふたつのアプリを同時動作させるモードも用意されており、将来的に運用の自由度は高くなるとみられる。もっとも、Windows 8では従来のWindowsアプリであればこうした制限に関係なく利用できるため、「Windowsの動作するタブレット」という点そのものが強みなのだろう。

Microsoftの本気度が分かる

 iPadとWindowsはそもそも利用する目的やターゲットとなるユーザー層も異なるため、横並びでの比較自体ナンセンスだと思うが、こういう比較を大マジメにMicrosoftが出してくるあたり、MicrosoftがiPadで奪われたユーザー層の奪回に本気で取り組んでいることの証左だといえるかもしれない。

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