エプソンダイレクトから登場した「Endeavor NY10S」は、実用性重視だった同社製品の中では異色なノートPCとタブレットの両方のメリットを持つコンバーチブル型のUltrabookだ。11.6型タッチパネルを採用しており、ノートとしては小型、タブレットとしては大型といった立ち位置となっている。
エプソンダイレクトとしては珍しくBTOには対応していないが、Core i7-3537U(2GHz)、8GBメモリー、124GB SSD搭載と、普段使いやオフィスワーク用のスペックを持っている。ということで、今回は「Endeavor NY10S」の使い勝手を中心にチェックしていく。なおスペック詳細やベンチマーク結果などは、こちらを参照してほしい。
ポインティングデバイスのない男らしい仕様
「Endeavor NY10S」はスライドをさせるとノートに変形する。角度調整はある程度可能で、このあたりはノートPCと変わりない。どちらかというと、気になるのはキーボードだ。コンバーチブルタイプは、モデルを見ても変形機構がある分、キーボードの面積がノートPCよりも狭くなっている製品が多い。また11.6型であることを考えると、相当窮屈だろうというのは実機を触るまでもなく、想像できるユーザーが多いだろう。
実際に触ってみてもキーボードはかなり窮屈で、キーは正方形ではなく微妙に長方形になっている。だが、A~Zなどひんぱんに入力するキーを変則サイズにしておらず、キーピッチを約17.5mmとギリギリまで広く取っているため、見た目以上に入力しやすい。またキーストロークはUltrabook登場以降、浅めの機種(薄さ確保のため)が増加しているが、キーストローク1.9mmと深めになっている。
次に気になるのはポインティングデバイスがないことだろう。キーボード面積が狭いため、指を少し伸ばせば届く位置にタッチパネルがあるため、不要といえば不要だが、細かい操作……デスクトップUI中心の場合はやや苦戦を強いられる人が多いだろう。
逆に新しいUI中心の場合は、タッチパネルまでの距離が近いぶん、操作性は上々。タスクの切替やオプションの表示、チャームの表示といった操作をほとんどキーボードから手を離さず行なえる。
このあたりの操作性の良さを考えると、Windows 8前提“すぎる”コンバーチブルともいえるだろう。マルチウィンドウでの処理ではなく、シングルウィンドウ中心の操作で、必要あるときに資料を確認するというのであれば、十分な仕上がりだ。
タブレットとしては「ときどき」を推奨
「Endeavor NY10S」の重量は約1.19kg。Ultrabookらしい重さで、タブレットモード時の使い勝手は上々な部類に入る。ただやはり11.6型タブレットは巨大で、ソファに転がってといったシーンは苦手だ。どちらかというと、相手に資料を見せたり、出先で立ちながらメモを取るときといった短時間用として割り切っておくのがよさそうだ。
とはいえ、「Endeavor NY10S」は、タブレット時の持ちやすさにも注意が払われている。現在、タブレットやスマホはベゼルの幅を狭くする流れが強くなっているが、本機の場合は滑落としにくいように、十分な幅を確保している。次で紹介する写真の通り、親指を乗せても大丈夫なほどで、しっかりとホールドできる点をよくチェックしてほしい。発熱するポイントも手持ち操作前提になっており、クリティカルに暑い部分を触れなくても済むようになっている。
(次ページ、「クールな排熱構造で長時間起動もOK」に続く)
