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総額200万円! 映像制作プロの業務用PC自作を手伝う

2013年05月05日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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GPUサーバー状態での
ベンチマーク結果

 SLI 4Wayは見ておきたいということで、GIGABYTE「X79-UD3」でのチェックを思いつき、編集部にCPUやらもろもろPCパーツの送付を依頼。到着までの間は、ほぼGPUサーバー状態の「SYS-7047GR-TRF」の挙動チェックや消費電力の確認をしていた。

ブート開始時の消費電力は、250W前後

起動中には400Wに到達

起動完了で300W前後。アイドルは250W前後だった。意外と大人しいが3DMARKを回してみたところ、消費電力は600W台に突入した

 SLIを組んでいない状態なので、OS側からはシングルGPUとして認識され、残る3本のTITANは寝ている状態だ。物理演算などCUDAを利用する場合、アプリケーションによってはフル回転になるといった具合だ。

SLIではない状態でTITAN×4の3DMARKを実行。PhysXのスコアはCPUのみに比べるとたいぶ高くなっているが、シングルGPUとしてのTITAN×1、物理演算ボードとしてのTITAN×1の状態だ。ドライバーのバージョンはGeForce 314.09

CINEBENCHの結果
CPUの結果がかなりステキ

CINEBENCHの結果。CPUの結果がかなりステキ

Windowsエクスペリエンスインデックスの結果。総じてスコアは高い

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編、最高設定のベンチマーク結果。平均フレームレートは71.029fps

PCMARK 7の結果。極めての普通のスコアだった

ストレージの転送速度と
大量のメモリーが必要なワケ

 冒頭に登場したCrucial製SSD「M500」の480GB×9だが、システム用の1つを残してあとはRAID用になる。SASカードであるAdaptec「RAID 71605 ASR-71605 Single」には、キャッシュとして1024MBが搭載されている。そのため、HDDでも読み書きは快適になるのだが、映像の場合、1ファイルあたりのサイズが大きく、SASボードのキャッシュはあまり意味がなく、ストレージ側の地の力が重要になってくる。そこでまずは、CrystalDiskMark 3.0.2とBlackmagic Disk speed testの結果を見てみよう。

CrystalDiskMark 3.0.2の結果。どの項目もやたらと高くなっているが、重要なのはシーケンシャル。これはファイルサイズが大きいだけでなく、断片化しないこともある。アプリによってはストレージにキャッシュを吐き出すため、その読み込みのために重要な要素だ。なお構築したのはRAID 0だ

 映像業界では、最低でもリード・ライトともに1GB/secが必要なのだそうだ。5Kのソースは、形式や設定で解像度などで変わる部分はあるが、おおむね、800Mbps必要なのだ。となると、余力も必要になるし、同時に編集作業となるとよりストレージのスピードは、あったほうがいいことになる。

 岡田氏が単純に自作マニアで、500MB/secほど余分に持ち上げている感もあるが、テクノロジーの進歩を考えると、3年後にはこのスペックでも厳しい状況になっているかもしれない。

Blackmagic Disk speed testの結果。2Kまでクリアしている。CrystalDiskMark 3.0.2の結果からすると、ものにもよるが5K用データは、最低でも850MB/secが必要になるそうだ。こちらもRAID 0

 次に256GBの膨大なメモリー領域について触れてみよう。一般的な用途で考えると、まず不要なレベルともいえる。映像方面ではプロジェクトの読み込みの速さだが、Adobe PremierとAfter Effectsを見てみると、グローバルパフォーマンスキャッシュという機能がある。これは、例えばAfter Effectsが計算したものをメモリーに書き込み、あふれたぶんはストレージに吐き出す。そのため、なるべくメモリー内で済ませるために大容量が必要になる。

5Kのソースを読み込んでいるときのタスクマネージャー。一気に読み込んでいる部分もあるが、スクリーンショット時点だと530MB/sec

 また、キャッシュからあふれた場合も考えると、リード2.5GB/ライト3.1GBの高速ストレージが必要になってくる。コンシューマー用途ならば演算を待っていればいいが、現場ではクライアントの前でリアルタイム作業も多く、そういったものを含めての要求スペックともいえる。

After Effectsで試しに操作をしてもらったときのメモリー消費量。最終的に200GB手前まで到達していた

 逆にAutodeskの場合は、メモリー要求は少なく、ストレージスピードに偏っている。これはアプリケーションの着想の違いから生まれているものだが、Autodeskの要綱を見ると、リード・ライトともに1GB/sec以上だ。

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