GPUサーバー状態での
ベンチマーク結果
SLI 4Wayは見ておきたいということで、GIGABYTE「X79-UD3」でのチェックを思いつき、編集部にCPUやらもろもろPCパーツの送付を依頼。到着までの間は、ほぼGPUサーバー状態の「SYS-7047GR-TRF」の挙動チェックや消費電力の確認をしていた。
SLIを組んでいない状態なので、OS側からはシングルGPUとして認識され、残る3本のTITANは寝ている状態だ。物理演算などCUDAを利用する場合、アプリケーションによってはフル回転になるといった具合だ。
CINEBENCHの結果
CPUの結果がかなりステキ
ストレージの転送速度と
大量のメモリーが必要なワケ
冒頭に登場したCrucial製SSD「M500」の480GB×9だが、システム用の1つを残してあとはRAID用になる。SASカードであるAdaptec「RAID 71605 ASR-71605 Single」には、キャッシュとして1024MBが搭載されている。そのため、HDDでも読み書きは快適になるのだが、映像の場合、1ファイルあたりのサイズが大きく、SASボードのキャッシュはあまり意味がなく、ストレージ側の地の力が重要になってくる。そこでまずは、CrystalDiskMark 3.0.2とBlackmagic Disk speed testの結果を見てみよう。
映像業界では、最低でもリード・ライトともに1GB/secが必要なのだそうだ。5Kのソースは、形式や設定で解像度などで変わる部分はあるが、おおむね、800Mbps必要なのだ。となると、余力も必要になるし、同時に編集作業となるとよりストレージのスピードは、あったほうがいいことになる。
岡田氏が単純に自作マニアで、500MB/secほど余分に持ち上げている感もあるが、テクノロジーの進歩を考えると、3年後にはこのスペックでも厳しい状況になっているかもしれない。
次に256GBの膨大なメモリー領域について触れてみよう。一般的な用途で考えると、まず不要なレベルともいえる。映像方面ではプロジェクトの読み込みの速さだが、Adobe PremierとAfter Effectsを見てみると、グローバルパフォーマンスキャッシュという機能がある。これは、例えばAfter Effectsが計算したものをメモリーに書き込み、あふれたぶんはストレージに吐き出す。そのため、なるべくメモリー内で済ませるために大容量が必要になる。
また、キャッシュからあふれた場合も考えると、リード2.5GB/ライト3.1GBの高速ストレージが必要になってくる。コンシューマー用途ならば演算を待っていればいいが、現場ではクライアントの前でリアルタイム作業も多く、そういったものを含めての要求スペックともいえる。
逆にAutodeskの場合は、メモリー要求は少なく、ストレージスピードに偏っている。これはアプリケーションの着想の違いから生まれているものだが、Autodeskの要綱を見ると、リード・ライトともに1GB/sec以上だ。