10日、東京銀座のソニービルにて、映像クリエイター「わかむらP」のトークライブが開催された。2月6日にBlu-ray/DVDで発売した作品集「at first sight - Best Selection of わかむらP feat.初音ミク」の購入者向けイベントで、200インチの巨大ディスプレーで作品集の映像を見ながら制作秘話が聞けるという内容だ。
わかむらPといえば、古くからのniconico(ニコ動)ファンにはおなじみのクリエイターだ。livetune feat.初音ミクによるGoogle ChromeのCM「Tell Your World」の映像を担当して一躍注目を集め、現在、ビッグウェーブに乗りに乗りまくってる。イベントと追加インタビューにて、作品に対するこだわりなどを熱く語ってもらったのでまとめていこう!
「ブーツはたわんでる部分が一番エロい」
イベントの多くは映像の試写に費やされた。MMD(MikuMikuDance、詳細はこちら)のLat式ミクらが、200インチのディスプレーいっぱいに映し出された様子は圧巻のひとこと。細部まで作り込まれた映像美を存分に堪能できた。
八王子P「Baby Maniacs」のPV。上の動画とは異なり、4K(3840×2160ドット)サイズで上映した。わかむらPいわく「非圧縮の映像はデータ容量が大きいので、4Kのままではプレビューできず、フルHDに書き出して確認していた。だから4Kで見るのは初めて。レンダリングするのにまる2日かかっている」とのこと。 |
八王子P「Sweet Devil」のPV。「見所はバックダンサーのサイボーグっぽいミク。ミク一人で背景をグラデーションにするとスカスカに見えてしまうので、数人入れて情報量を増やしたかった。でも作っているうちにサイボーグっぽいミクたちにも意味を持たせたくなって、後半で彼女たちのシーンが出てきます」 |
SmileRさん「Melody Line」のPV。「実は僕の作品の中でいちばんパンチラが多い。僕はミクを実際のテクノポップアイドルとして扱って映像を作ってる。アイドルも『見せパン』を着ていますし」 |
八王子Pが1月にリリースした新曲「TRAP×TRAP」のPV。「八王子Pのアルバムに付属するDVD用に作った映像をフル尺に引き延ばした。衣装デザインも自分でやっている。こだわりはくるぶしのところで、ブーツってたわんでる部分が一番エロいと思うんです」 |
制作費は「レコード会社の影が見えたら吹っかける」
トークで面白かったのは、今回、映像だけでなく大半の印刷物もわかむらPがデザインしたということ。
もともと紙媒体を中心にアートディレクター・デザイナーとして仕事をしていたので得意分野とはいえ、ジャケットだけでなく、レーベル、歌詞カード、初回限定のステッカー、はてはジャケットの上にはる宣伝用シール、このイベントのためのクリアファイルまでデザインしたという。ご本人も「かつてない同人感あふれる商品。このイベントの応募はがきだけは、ソニーさんのテンプレートがあったから流用した」と笑っていた。
質問コーナーでは、会場から「わかむらさんに映像制作を頼むとしたらいくらかかる?」というきわどい球が投げられた。これに対して、「いろいろあります。僕が勝手に作ったり、お願いされてバーターで音源を使わせてもらえるようにした場合はタダ。お金を取るときも、背景にレコード会社の影が見えたら吹っかけますが、個人だったら『ダンピングだろう』と言われる値段でも受ける」ときっちり解説。
ほかにも「普段は何をしている?」という質問については、「最近ハマっているのは料理で、菜の花とか、たらの芽が好き。あとは食べ歩きかな。この前、地元の友達と『秋葉原に本当にうまいラーメン屋はあるのか』というのを調べるために5件ハシゴしたら気持ち悪くなりました」と答えていた。
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