2013年もSoftware-Defined Data Centerに注力
Your Cloud.元年の次は?ヴイエムウェアが事業戦略を説明
2013年01月30日 06時00分更新
1月29日、ヴイエムウェアは2013年度の事業戦略発表会を行なった。2005年の社長就任から8年目に突入する三木泰雄氏が、“Your Cloud.元年”を謳った2012年を振り返りつつ、2013年の注力分野を説明した。
買収とエンドユーザー分野への注力
ヴイエムウェア 代表取締役社長の三木泰雄氏は、国内IT市場の回復基調やクラウドの普及、継続的なDR/BCPの取り組み、ワークスタイルの変化など、まず2012年の市場を振り返った。その上で2012年のヴイエムウェアの事業を「製品」、「顧客」、「パートナー」の3分野で総括した。
まず製品に関しては、クラウドインフラの統合管理を実現する「vCloud Suite」を投入したほか、マルチクラウドの管理ツールであるDynamicOpsやネットワーク仮想化の先駆者であるNiciraを買収し、ポートフォリオを強化。また、エンドユーザーコンピューティングの分野では、VMware View 5.1のほか、スマートデバイスの仮想化を実現する「Horizon Suite」などを発表した。
また、顧客に関しては特に中堅・中小企業にフォーカスし、「ワンソケットのサーバーを対象とした、日本独自のvSphereライセンスを提供した」(三木氏)といった施策を進めた。国内パートナーも1500社以上に拡大したほか、ハイブリッドクラウドを推進すべく、日立製作所とのアライアンスを実現。この結果として、クラウド利用がますます加速したと説明した。
こうした2012年の総括を受け、2013年はプライベート/ハイブリッドクラウドの事例をますます増やしていくほか、エンドユーザーコンピューティングにも注力していく。「PCをシンクライアントとして使うという例だけではなく、Horizon Mobileの登場でタブレットやスマートフォンもVDIの端末として利用できる」(三木氏)。そして、昨年のVMworldでもアピールされた「Software-Defined Data Center」のコンセプトをより強力に推進していくという。「今まではサーバーの仮想化がメインだったが、ストレージやネットワークまで、ソフトウェアでコントロールしていく。このためのツールがvCloud Suiteだ」と述べた。
また、新規顧客への価値訴求だけではなく、既存顧客や先進ユーザーについても、導入後のサポートを強化。コンサルテーションもあわせて拡充することで、さらなる効率化や戦略的なIT活用を提案する。こうした施策を踏まえ、三木氏は「日本企業が競争力を高めるためのTrusted Advisorとなる」と2013年の抱負を語った。