クーラーの性能を温度や騒音値でチェック
ハイエンド編と同様に、9モデルのGPU温度やファン回転数、騒音値を計測してみよう。GPU温度とファン回転数は、アイドル時がOS起動から10分経過後、高負荷時が「3DMark11」のデモを15分間連続実行した際の最大値をASUS独自GPUツールの「GPU Tweak」で計測。騒音値はPCケースに組み込んでいないバラック状態で、CPUクーラーなどのファンを停止させ、出力インターフェース部から15cmほど離れた位置で騒音計を使って測定している(PCを動作させていない時の騒音は31dB)。
アイドル時のGPU温度と騒音値は、ハイエンド編と同じく、横並びなっている。高負荷時は型番に“T”がつく、最上位オーバークロックモデルの一部が、下位モデルより低い温度や騒音値を示したが、これは搭載しているGPUコアの選別の結果と思われ、より低い電圧と発熱で高クロック動作ができている証といえるだろう。
クーラーで最も気になる騒音値は、「Dual Fan Cooling」クーラーを採用する「GTX650TI-1GD5」以外は、同じ傾向でアイドル時が34dB台、高負荷時でも35~36dB台とかなり静かだ。もちろん、GTX650TI-1GD5も十分静かで、高負荷時約38dBとPCケースに取り付けた状態なら、DirectCU IIクーラー搭載モデルとの違いは感じないレベルになっている。
続けて「GTX660 TI-DC2T-2GD5」、「GTX660-DC2T-2GD5」、「GTX650TI-DC2T-1GD5」、「GTX650TI-1GD5」の4モデルを使って、うるさく感じる50dB台にどのくらいのファン回転数で到達するか、「GPU Tweak」を利用して10%刻みでファンの回転数をアップさせて調べてみた。
型番 | GTX660 TI-DC2T-2GD5 (DirectCU II) |
GTX660-DC2T-2GD5 (DirectCU II) |
GTX650TI-DC2T-1GD5 (DirectCU II) |
GTX650TI-1GD5 (Dual Fan Cooling) |
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ファン出力 | 回転数 | 騒音値 | 回転数 | 騒音値 | 回転数 | 騒音値 | 回転数 | 騒音値 |
10% | 1140rpm | 35.0dB | 1080rpm | 34.8dB | 930rpm | 34.7dB | - | - |
20% | 1170rpm | 35.1dB | 1110rpm | 35.0dB | 930rpm | 34.7dB | 1020rpm | 34.8dB |
30% | 1200rpm | 35.3dB | 1140rpm | 35.1dB | 1020rpm | 35.1dB | 1050rpm | 34.9dB |
40% | 1440rpm | 36.1dB | 1410rpm | 35.5dB | 1680rpm | 37.7dB | 1380rpm | 35.2dB |
50% | 1920rpm | 37.2dB | 1860rpm | 36.4dB | 2400rpm | 45.3dB | 1890rpm | 38.6dB |
60% | 2310rpm | 39.7dB | 2280rpm | 38.8dB | 3030rpm | 52.8dB | 2310rpm | 43.5dB |
70% | 2670rpm | 43.3dB | 2640rpm | 42.2dB | 3540rpm | 59.1dB | 2640rpm | 48.1dB |
80% | 3000rpm | 47.1dB | 2970rpm | 45.5dB | 3990rpm | 61.9dB | 2940rpm | 51.1dB |
90% | 3210rpm | 49.1dB | 3180rpm | 47.5dB | 4140rpm | 63.1dB | 3240rpm | 53.8dB |
100% | 3510rpm | 51.7dB | 3420rpm | 49.8dB | 4170rpm | 63.5dB | 3300rpm | 55.1dB |
ファン回転数はハイエンドGPU搭載モデルよりも、小幅に回転数が変わるようにBIOSがカスタマイズされており、GTX660 TI-DC2T-2GD5とGTX660-DC2T-2GD5は、最大回転時にようやくで50dB前後に到達している。PCケースのエアフローがスムーズであれば、まず100%になることはないだろう。
同じDirectCU IIクーラーだが、ヒートシンク形状やファンサイズの違うGTX650TI-DC2T-1GD5は、60%の時点で50dBをオーバーするものの、高負荷時でも30%前後の1050rpmだったことを考えると、60%時の3030rpmまで回転数がアップすることは、かなり少ないと思われる。
アッパーミドル・ミドルレンジのDirectCU IIクーラーも
高い冷却性能と静音性が備わっている
アッパーミドル・ミドルレンジGPUが搭載するDirectCU IIクーラーも、ハイエンド編と同じく冷却性能と静音性のバランスに優れており、GPUごとにカスタマイズされたファン回転数の制御は、長いあいだ自作erの信頼に答えてきたASUSならではだ。秀逸なファンコントロールに安定性や耐久性にこだわったオリジナルの基板設計なので、他製品に比べて若干割高なのも頷ける。むしろこの価格なら十分元を取れるのではないだろうか。
次回は「GeForce GTX 650」や「GeForce GTX 640」といったロウアーミドル~ローエンドクラスのモデルを徹底チェックしていく。1スロット仕様のビデオカードを必要とする人や、安価にグラフィック環境を強化したい人はチェックしてもらいたい。
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ASUSTeKの販売代理店であるテックウインドが、現在ASUS製ビデオカードを店頭表示価格の8%引きで買えるキャンペーンを実施中だ。キャンペーン期間はショップにより異なるので、各ショップで確認してもらいたいが、こういったキャンペーンは秋葉原では頻繁に行なわれている。同社製ビデオカードを買うときはキャンペーンや各ショップの特価情報を事前に調べておくといいだろう。
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なお、製品は編集部で検証および撮影で使用したものになります。破損、傷などによる苦情、返品は受け付けませんのでご了承ください(メーカーへの苦情、返品もお断りいたします)。
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