自作PC市場にも復活の兆し
ところで電脳街の主役たる自作PCは下火の一歩なのかというと、それも大都市の電脳街を中心に変わりつつある。
最近になってハイエンドなゲーミングPC専門の自作PCショップが数店出来はじめたのだ。水冷PCなども(ようやく)見るようになった。
従来製品との差別化という点では、ほかにもキューブ型PCやオーディオPCや静音PCや省電力PCというベクトルもアリだが、電脳街で見る限りハイエンドしかない。静音もネットで見る限りニーズはあるようだが、静音PCをアピールした店は見たことがない。
中国においてMMORPGなどのオンラインゲームは、中国国内でもそれなりのタイトルが出ているし、海外産のFPSも受け入れられているように見えるが、一部のゲーム好きのみが遊んでいる状況だ。
そういえばメーカーではAlienwareの代理店も増え出した印象がある。客の数は少ないが、話を聞いてみると単価が高い分競争の激しいショップと比べ、忙しくなくそれなりに儲かるという。
ハイエンドショップが扱う水冷商品は韓国ZALMAN製やドイツ製品がメインだが、近年中国からも安価な水冷キットが登場し、200~400元(2500~5000円強)のレンジで売られている。
ショップやネットでの水冷PCに目をつけ、チャイニーズスピリッツ恐るべしと言おうか、水冷キットは安くなったので買えばいいものを、水冷キットを自作しては冷却水がPCケース内に漏れ、PCが昇天するというヘビーユーザーの報告をいくつも確認した。
中国の電脳街も秋葉原のような街に変わる?
電脳街のハイエンドショップは、ほかにもプロジェクターや、ホームシアター、ヘッドフォン専門店が登場したことも注目したい。
中国の電脳街は、大都市部から従来の安いだけのPCを売る役目は徐々に終え、いつかの秋葉原を彷彿させるちょっと変わったモノが揃う場所として変わっていきそうだ。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)
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