インテルCPU進化論もようやく、現行製品である「Sandy Bridge」「Ivy Bridge」の世代にたどり着いた。最新という意味ではIvy Bridgeになるが、Ivy BridgeはCore i7/i5といったハイパフォーマンス~メインストリーム向けが先行した一方で、バリュー向けのCore i3/PentiumはやっとIvy Bridge世代の製品が発表されたばかり。CeleronやウルトラハイエンドであるCore i7 Extremeに関しては、引き続きSandy Bridgeが利用されている状態である。
しかもSandy BridgeとIvy Bridgeでは、基本的にマイクロアーキテクチャーに差がない。一番大きな違いは製造プロセスとグラフィック周りで、CPU側は若干の修正とか改善程度なので、合わせて現行アーキテクチャーと称してしまって差し支えないだろう。
大きな変化はないが細かく変わっている
Sandy Bridgeの内部構造
Sandy Bridge世代のCPUコアの、Nehalem世代からの変更は以下の要素が主となる。順不同になるが、これらについて説明しよう。
- AVX命令の搭載
- これにともなう1次キャッシュとの帯域の256bit化
- Load/Storeユニットの強化
- Decoded μOp Cacheの搭載と、分岐予測ユニットの再設計
- Physical Register Fileの搭載
- Zeroing Idiomsの搭載
下の画像は、IDF Fall 2010で公開されたSandy Bridgeのラフな内部構造図である。Nehalemから構造はそれほど変わっていないとはいえ、変更箇所は少なくない。パイプライン段数そのものは16段を継承するが、後述する「μOp cache」アクセスのケースでは、瞬間的ながら18段になるようだ。
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