メールやカレンダー、アドレス帳も
OSに同梱されるWindows 8
Windows 8の特徴は、従来のデスクトップ環境とは別に「Windowsストアアプリ」を動かす新ユーザーインターフェイス環境(旧名 Metro)が組み込まれていることだ。例えて言うなら、新UI環境とはWindows(およびデスクトップ)という大きなプールに浮かぶ、バスタブのようなものだ(関連記事)。
新UI環境は外側のデスクトップアプリとは直接関係しないが、ユーザーから見える部分となる「水面」は同じ位置にあり、新UI環境とデスクトップは、ユーザーのタッチで「流れる」ように切り替わる。
新UI環境はタブレットを意識したものだが、デスクトップ環境の次世代の姿ではなく、並ぶ存在にすぎない。おそらくこれからも、デスクトップアプリは開発が続けられるだろうし、Windowsストアアプリも増えていくことになる。
Windows 8では、これまでデスクトップアプリとして提供されていたメールやアドレス帳といった機能は、Windowsストアアプリとして提供される。現状のスマートフォンやタブレットをみれば、メールやカレンダー、アドレス帳などは必須アプリであるから、Windows 8も同じように新UI環境向けのアプリを用意しているわけだ。
過去を振り返ると、Windows Vistaでは「Outlook Express」がなくなり、メール(およびアドレス帳)やカレンダーなどは、Windows Live側のサービスを使うようになった。またメッセンジャーも、かつては「Windows Messenger」が用意されていたものの、結局「Live Messenger」に置き換えられた。
Windows 8ではこれらが、「メール」「カレンダー」「People」「メッセージング」として付属する。Windowsストアでは、これらは4つでセットのアプリとしてまとめられている。この4つがまとまっているのは、その関係が少し複雑だからだ。アプリケーションそのものは独立しているものの、それらが使う情報はローカルPCに保存されるものではなく、Windows Liveやインターネット側のサービスなどから提供されるものだからだ。
各種SNSの連絡先をまとめて一覧する
アドレス帳「People」
まずは個々のアプリケーションを見てみよう。基本になるのは「People」だ。これは連絡先情報を管理し、SNSサービスと連動するようになっている。「Hotmail」(Outlook.com)「Facebook」「Twitter」「Gmail」「LinkedIn」といったサービスから連絡先情報を集めて、これらをまとめてひとつのリストとして表示するアドレス帳アプリである。
もし連絡先の中に同じメールアドレスがあるなど、同一人物と判定できる場合には、自動で連絡先を「リンク」する。このリンクは、手動でも設定が可能だ。

この連載の記事
- 第34回 Windows 8の狙いは、UIの変化よりもAPIの変化が本質
- 第33回 Windows 8が動作しなくなった? 新しくなった修復機能
- 第32回 Windows 8でIMEに求められる新しい要素とはなにか?
- 第31回 Windows 8の無線LANをコマンドラインで細かく制御
- 第30回 Windows 8をマウスで使いやすくするレジストリの小技
- 第29回 周辺機器・アプリがWindows 8/RTで動くか確認する方法
- 第28回 Windows 8のキーボードショートカットを全公開
- 第27回 Windows 8が使いにくい? マウスを変えると印象も変わる
- 第26回 実はNFCに対応しているWindows 8 ただしアプリは不足
- 第25回 実は扱いがまったく異なるWindows 8でのタッチパネル
- 第24回 Surfaceから見えるWindows RTの実像と、将来PCへの影響
- この連載の一覧へ