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塩田紳二のWindows 8 IN-N-OUT 第1回

Windows 8の基本を知る Metroとデスクトップは完全に別

2012年04月19日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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デスクトップとはまったく別に存在する
Metroスタイルの実行環境「WinRT」

 先述のとおり、Metroスタイルアプリケーションには、専用のAPIセットであるWinRTが用意される。これは、タブレット向けアプリケーションなどを作りやすくするために定義されたAPIセットで、従来のWin32 APIとは違うものだ。さらにいえば、実行ファイル形式もデスクトップアプリケーションとは違っている。

 一方で、デスクトップアプリケーションと同じく、C#やVisual BASICなどの「CLR」(共通言語ランタイム)を使う開発言語やVisual C++を使って、Metroスタイルアプリケーションを開発できる。実行形式は違うが、開発の基本的な部分は従来と同じわけだ。

 さらにMetroスタイルでは、HTML5とJavaScriptによるアプリケーション開発も可能だ。Metroスタイルではウェブブラウザーを起動することなく、HTML5+JavaScriptのアプリケーションを動かす仕組みがある。ただし、HTML5レンダラーやスクリプトエンジンは、Internet Explorer 10のものを流用している(図3)。一見、大きく違って見えるMetroスタイルとデスクトップ環境だが、どちらも同じ「Explorer」(Windows Explorer)が表示に関わっている。スタート画面自体も、実際にはExplorerが表示しているのだ。

図3 Metroスタイルは従来のWindows環境(Windows Core System)の上に作られた、新たなアプリケーションの実行環境。デスクトップ側とは分離されている。ただし従来のデスクトップアプリケーション向け開発言語や開発環境(Visual Studio)は、Metroスタイルアプリケーション開発にも利用できる

 共通部分もあるMetroスタイルとデスクトップ環境だが、基本的にデスクトップ環境とMetroスタイルは分離されている。CP版では、デスクトップ環境からMetroアプリケーションの実行ファイルが見えるが、ここも最終的にどのようになるのかわからない。Metroスタイル側とデスクトップ側は、簡単な文字のコピー&ペースト程度は可能だが、例えばプロセス間通信はできないという。それくらい分離されているわけだ。

 Windows 8の基本的な構造を理解したところで、次回からは、Windows 8に導入される技術や新しいスタイルなどを見ていくことにしよう。

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