「HP t410 Smart Zero Client」
DSPで高速化!HPシンクライアント「t410 Smart Zero Client」
2012年08月24日 06時00分更新
8月23日、日本ヒューレット・パッカードは手のひらサイズのシンクライアント新製品「HP t410 Smart Zero Client」を発表した。
同社では、「Windows Embedded Standard」などの組込OSを搭載し本体側にアプリケーション導入なども可能な製品を「シンクライアント」、設定管理を外部のサーバーが一括して行ない本体側は画面表示などの機能しか持たない製品を「ゼロクライアント」と呼ぶ。今回発表のHP t410 Smart Zero Clientは、ゼロクライアントながら、ソフトウェアの追加が可能であったり、特定用途とはいえWebブラウザの搭載が行なえる製品で、「スマートゼロクライアント」と呼んでいる。
HP t410 Smart Zero Clientの特徴の1つが、デジタル信号処理専用チップ(DSP:Digital Signal Processor)を搭載すること。負荷の高いリモートデスクトップ/VDIプロトコルの処理をDSPに任せることで、高速・高解像度の画面表示を実現。搭載するDisplayPort 1.1aとVGA端子を使うことで、フルHD×2のデュアルディスプレイ環境が構築できる。

負荷の高い処理をDSPが担当
製品ラインナップは、
- Citrix ICA 12 with HDX
- RDP 7.1with Remote FX
- VMware View 5.0 with RDP
に対応する「t410 Smart ZC 2GF/1GR RFX/HDX」(2万4800円)と、加えて
- Teradici Optimized PCoIP
にも対応する「t410 Smart ZC 2GF/1GR」(2万9800円)の2種類。ハードウェアに違いはなく、両者の価格差はDSP上で動くTeradici Optimized PCoIP用ソフトウェアのライセンス料ということだろう。
また、HP t410 Smart Zero Clientにはネットワーク品質を改善するソフトウェア「HP Velocity」が添付される。これにより、サーバーとシンクライアント間の通信状況のリアルタイムなモニタリング、パケットロスの防止、そして無線LANのオーバーヘッド削減によるスループット改善が行なえる。HP Velocityは今後発売するすべてのシンクライアントにプレインストールされるほか、既存製品もイメージのバージョンアップで利用可能になるという。
なお、シンクライアントへのDSP搭載は本製品および、6月15日発表のディスプレイ一体型シンクライアント「HP t410 All-in-One Smart Zero Client」が初となる。今後は、x86プロセッサーが必要なWindows Embedded Standardを搭載する上位製品(シンクライアント)を除き、ARMプロセッサーなどを搭載する低価格製品(ゼロクライアント/スマートゼロクライアント)にはDSPが搭載されていく予定だという。
