価格帯別ヘッドフォンレビュー ハイクオリティー&ノイズキャンセル編
2万円以下で買える高音質ヘッドフォンを探せ!
2012年08月08日 18時00分更新
総括:価格別ベストバイはコレだ!
ノイズキャンセル以外で合計14モデル、ノイズキャンセル機で5モデルと合計19機種を、iPod touch、ウォークマンで試聴して気付いたことは、やはり価格帯別に最優秀モデルはあるが5000円クラス、1万円クラス、2万円クラスそれぞれに明確な壁があるということ。高音質を追求するためには、やはりある程度の予算は確保しておいた方がいい。
また、本特集ではすべての機種でアップルのiPod touch、ウォークマンAで試聴したが、やはりプレイヤーの出力時点で音色の違いがあるため、マッチングの善し悪しを見つけられた。もし、ネット上の評価などを参考にして購入するなら、試聴ソースに使ったプレイヤーは何なのかを確認しておいたほうがいいだろう。
さて、それでは予算別のベストバイを挙げていこう。
5000円以下クラスは
ビクターのHA-FXD80-Zがトップ
5000円以下のクラスは、唯一のバランスド・アーマチュア型のソニー「XBA-1SL」、モニターサウンドを目指したビクターの「HA-FXD80-Z」、ソニーの「MDR-EX310SL-B」、重低音重視に振ったオーディオテクニカ「ATH-CKS77」、スタンダードなゼンハイザー「CX300」と特徴が分かれた。
総合的に最も好印象だったのはビクター「HA-FXD80-Z」で、高解像系サウンドとして曲を問わず軽快な音を鳴らした。特に低音再現性の相性も含めると、ウォークマンとの組み合わせが若干好印象だ。2位以下は同じモニター系のソニー「MDR-EX310SL-B」か、よりパワフルな唯一のバランスド・アーマチュア型のソニー「XBA-1SL」がいい。
音質と価格のバランスがいい1万円クラス
シュアのSE215が頭ひとつ抜けた
1万円クラスでは価格相応に音のグレードが上がり、ハズレと言える製品はなかった。しかし、その中でも圧勝と言えるほどに高音質だったのがシュアの「SE215」。やはり解像力志向のモニターサウンドは強い。特にインストゥメンタル系の美しさは、1万円台のヘッドフォンの枠を超えている。製品別の音質レビューではiPod touchの方が相性が良いと書いたが、ウォークマンで試聴してもトップは揺るがない。
コストパフォーマンスで選ぶなら、全価格帯を通してのトップだ。
2位には音傾向は全く異なるが、ソニーの「XBA-2SL」を挙げたい。バランスド・アーマチュアも2基になりバランスが整ったことで、とにかくダイナミックで聞いていて気持ちいい。ロック系のサウンドにも相性バツグンだ。
高音質志向がひしめく2万円クラス
並み居る強豪を制したのはゼンハイザーのIE60
2万円以上クラスの製品は、どれを聞いても不満はないレベルである。しかし、その中でもゼンハイザーの「IE60」は高解像系のサウンドとして、他機種と比較しても全く別の音を聞いているかのようなサウンドになる。シュアの「SE315」の繊細の音も評価できるが、ここはIE60の解像力に軍配を挙げたい。
よりダイナミックな音を求めるのであれば、ソニーのバランスド・アーマチュア型の「XBA-3SL」、「XBA-4SL」の兄弟モデルはどちらもいい。コストパフォーマンス、特にダンス系ミュージックとのマッチングを重視するのであれば、高解像系よりもソニー製品を選ぶ余地はある。なお、両機種の価格差は5000円程度なのでコストパフォーマンスは互角だ。
騒音の中で大活躍するノイズキャンセル系
ソニー製品を予算に応じて選びたい
ノイズキャンセル型ヘッドフォンは、5000円前後の製品が多い中で、ソニーの「MDR-NC100D」(約1万円)までが含まれる価格差のある比較となった。単純な音質比較では、実勢価格1万円台前半にもなる「MDR-NC100D」の圧勝と言わざるを得ない。単体ヘッドフォンの1万円クラスにも並ぶ音質は、フルデジタルアンプ「S-Master SX」によるクリアなサウンドも効果的に働いている。
次点は実売5000円クラスのソニーの「MDR-NC33」。モバイルオーディオとしての観点から、ダイナミックで快適な音を出すソニー製品から選ぶのが無難そうだ。ロジテックの「LBT-AVHP300NC」は、Bluetooth接続の中でも最高音質のapt-X対応で、本領発揮するのは対応プレイヤーが揃ってからだろう。
この連載の記事
-
第3回
AV
1万円以下で買えるコスパに優れたヘッドフォンはこれだ! -
第2回
AV
携帯音楽プレイヤーに迫る! スマホ+ヘッドフォンアンプ -
第1回
AV
スマホに勝つ! 音質重視の携帯音楽プレイヤーの実力を検証! -
AV
音楽を聴くなら携帯音楽プレイヤーを勧めたい理由 - この連載の一覧へ