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音楽を聴くなら携帯音楽プレイヤーを勧めたい理由 第4回

価格帯別ヘッドフォンレビュー ハイクオリティー&ノイズキャンセル編

2万円以下で買える高音質ヘッドフォンを探せ!

2012年08月08日 18時00分更新

文● 折原一也

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最高の音質を誇るハイエンドモデル
ゼンハイザー IE60

 ハイエンドヘッドフォンメーカーである同社のハイエンドライン「イヤーモニター」のシリーズに分類されるのがIE60だ。強力なネオジウム磁石を採用したダイナミック型ドライバーを採用する。実売価格は1万6000円ほど。

ゼンハイザー IE60

・iPod touch + IE60

 まさにモニター系とも呼ぶべき高解像サウンド。「Chase the world」を視聴すると、低音からして分解像が非常に高く、思わず別の曲と思えるほどに音の隅々まで聞き取れる。ボーカルは空間に浮かび上がるような立体感もあり、コーラスの存在感まで出て来る。「リアルワールド」でも全域に渡るハイクオリティーサウンドで、情報量がとにかく豊富。ボーカルはやや引き気味だが、すべての楽器を個々に聞き分けられる。低音までキレ味があるのはさすがだ。「無想曲」はピアノの音そのものに、さらに細部が聞こえるような精細な音といい、弦楽器といい、生々しさからしてまさに異次元。マイクで生録したような音を出せる、圧倒的なハイクオリティーさだ。

音質評価:★★★★★★★★★★(10)
コストパフォーマンス:★★★★★★★★★(9)

・ウォークマン + IE60

 高解像サウンドは、ウォークマンの音質にもよく合う。「Chase the world」は、打ち込みサウンドを再現するスピード感と止めの速さ、音分解像で魅せてくれる。ボーカルは適度に音楽から分離して鳴らすことができ、コーラスの存在感もしっかりと際立つ。「リアルワールド」は若干重低音が出すぎで音楽としては聞きづらいものの、バンド全体の楽曲を隅々まで見通せるような情報量が素晴らしく、特にギター音のキレ味がいい。「無想曲」は情報量重視のサウンドの極めつけで、ピアノ、弦楽器ともに音ひとつひとつの隙間まで聞き分けられるような描写力がある。低音のしっかりとしたサポートもバランス良く出せた。音を分析するような聴き方にもオススメできる。

音質評価:★★★★★★★★★★(10)
コストパフォーマンス:★★★★★★★★★(9)

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少々値段も張るが、音質は最高レベル
シュア SE315

 シュアのヘッドフォンラインナップでは、SE315以上がバランスド・アーマチュアタイプとなっており、SE315はシングルユニットで構成されている。内部のアーマチュアユニット全体をプラスチックモールドに収容し、衝撃から保護する構造も特徴。実売価格は1万6000円ほど。また、定価で4万円近くする同社のSE425も、実売で2万3000円ほどまでに値下がってきている。2万円をちょっとくらいオーバーしてでも高音質を求めるならば、選択肢に入るだろう。

シュア SE315

・iPod touch + SE315

 「Chase the world」はダイナミックさよりも解像感に振っており、全体の情報量を隅々まで作り出すタイプ。コーラスも存在感ある上に、聴くたびに楽曲の発見がある。低音の出方もほどよく聞きやすい。「リアルワールド」はボーカルをしっかりと立てながら、繊細な音ですべての楽器を描き分ける。「無想曲」は生音とも思えるほどの音密度で、小音量でもすべての音が立ち上がり、ピアノの音の響き、弦楽器の余韻まで聞き取れる。

音質評価:★★★★★★★★★★(10)
コストパフォーマンス:★★★★★★★★(8)

・ウォークマン + SE315

 「Chase the world」は、別の曲かと思わせるほどの密度感。ダンス系サウンドらしからぬ落ち着いたボーカルを聞かせており、低音は量的にしっかりと出してくれる。「リアルワールド」でも情報量重視のサウンド傾向は相変わらずで、ボーカルが張り付くように間近で聞こえることが特徴的。「無想曲」は繊細なサウンドで、ピアノ、弦とも高密度に描写する。やや中域に音を載せたウォーム系のサウンドだ。

音質評価:★★★★★★★★★★(10)
コストパフォーマンス:★★★★★★★★(8)

価格もこなれてきた、SE425

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