各端子を本体背面に配置した結果、ヒンジ部とキーボードの間にはある程度の幅が必要になった。そのため、奥行きは22.7cmと、他の13型級Ultrabookに比べて、やや大きくなっている。
キーボードの配置は標準的だが、出来はとてもいい。ストロークも適切で、たわみなどもまったく感じられない。この薄さでも長時間使っても疲れづらい、Ultrabookの中でもトップクラスの品質である。R631とR632の間で、キーボード部分のすべてが変わっていないわけではないが(変化については後述する)、上等な使い勝手は、R63xシリーズに共通する点といっていい。
これは東芝の製品全体に言えることだが、右端の「BackSpace」「Enter」「Shift」キーが大きめに作られているので、指を伸ばす距離が短くなり、相対的にタイプしやすくなっているのも美点だと思う。タッチパッドは大きめで、中央に指紋センサーが配置されたタイプ。こちらの操作感はまずまず、といったところだろうか。
カラーリング変更は質感向上にプラス
キーボードバックライト削除は疑問
すでに述べたように、R632は初代モデルR631のマイナーチェンジ製品である。特に、今回試用しているR632/28FKは、カラーリングをガンメタル系からシャンパンゴールドに変えて、イメージを一新している(R632/28FSは従来と同じアルティメットシルバー)。
28FKで採用されたシャンパンゴールドは、かなり効果的な色だと思う。すでに述べたように、R63xシリーズは奥行きが大きめで、中央が間延びした印象を受けやすい。シャンパンゴールドになったことで全体が膨張して見えるせいか、間延び感を感じにくくなった印象がある。R631は暗めのいかにも男性的な印象だったので、女性などにも28FKの方が向くかとも思う。全体的な高級感も落ちていない。
だが、28FKではひとつだけ、R631からカットされた部分がある。それは「キーボードバックライト」だ。R631では「FN」キー+「Z」キーで点灯可能だったキーボードバックライトだが、28FKではカットされている。これは特に、飛行機内やプレゼン中などの暗い環境で使う時にマイナスで、正直残念だ。
奇妙なのは、同じR632でもカラーリングが従来と同様である「28FS」では、キーボードバックライトが存在していることだ。最初は「低価格化の影響かな」とも考えたのだが、28FKと28FSの売価はそう変わらず、なぜ省かれたのかよくわからない。
なお、R631の弱点としてはヒンジの径が細く、ディスプレー部が振動で揺れやすい点があった。R632の場合テストした機材では、ヒンジ部の強度はR631より上がっているように思えた。だが、顕著に変わったというほどでもないので、若干の変更が行なわれたか、機材の個体差によるものか判別がつかない。まあ、この部分が気になって旧機種を選べなかった人が、この変化に期待して新型を選ぶ、というほどの違いとは言いがたい。
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