「BCNランキング」のコンパクトデジタルカメラランキングによると、5月の月間販売台数第1位に輝いたのはカシオ計算機の「EXILIM EX-ZR200」。6月の第1週も同じく1位をキープしていた。
そんな絶好調のZR200の上位機として6月8日に発売されたのが「EX-ZR300」(実売価格4万円前後)だ。今回はこの機種のレビューを通して、なぜEXILIMが売れているのかを探ってみたい。なお、6月17日に開催される「夏のASCIIフェス2012」において、「ASCII.jp注目デジタル製品」として展示されるので、興味のある方は足を運んでほしい。
サクサク動くEXILIMの魅力
まず、デジカメ市場におけるEXILIMの立ち位置を振り返ると、ZR200に限らず歴代のEXILIMシリーズはかなり売れ行きがいい、というかランキング上位の常連らしい。
2位以下の機種を見てみると比較的低価格なモデルやモデルチェンジ直前や直後で値段の下がった機種が多くみられ、市場推定価格も1万円台の機種が多いのだが、EXILIMは市場推定価格2万円台中盤でありながらも首位を独走している。
そもそもカシオは1994年に初めて液晶パネルを搭載した、今でいうコンデジの元祖と言えるデジカメ「QV-10」を生み出したメーカーだ。わずか25万画素(QVGA)でしか記録できないものの、背面液晶で撮った画像をすぐに確認でき、回転式のレンズを採用していて自分撮りが簡単に行なえるなど、画期的なデジカメだった。
その後、2002年に初代EXILIMである「EX-S1」を発売。搭載するレンズは単焦点だったが、カードサイズでポケットに気軽にしまうことのできる薄さが大ウケした。
このように、カメラメーカーとはまた違った「デジカメメーカー」として、日本では一番古い老舗のメーカーだ。
最新機種のEX-ZR300だが、実のところ見た目からして目新しさはない。EX-ZR200とほとんど区別のつかないデザインでカラーバリエーションがZR200の4種(ホワイト、ブラック、レッド、ブルー)から3種(ゴールド、ホワイト、レッド)になり、色によっては区別がつく程度だ。
そして、EXILIMの最大の特徴とも言えるサクサク動作も継承している。例えば、電源を入れてから撮影状態になるまでにかかる時間は約1秒。メニュー操作などもほとんどストレスを感じず、サクサクと動く印象だ。
このあたりは言葉では伝えきれないので、上述の夏のASCIIフェス2012、または店頭などで実機に触れていただきたい。