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iPhoneの着信知らせるG-SHOCK 次の時代に進むカシオ

2012年09月07日 16時44分更新

文● ASCII.jp編集部

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着信があったことが腕時計で分かる
iPhoneをカバンに入れておいても大丈夫

 カシオ計算機は7日、カジュアル&ビジネスウォッチの秋冬コレクションを一斉に発表した。注目を集めたのは「G-SHOCK」の新型だ。BluetoothでiPhoneとつながり、電話の着信を伝えてくれる機能がある。「iPhoneをカバンに入れていると、着信に気づかないことがある」。そんな声から生まれた製品という。10月発売予定で、価格は1万8900円。

iPhone×G-SHOCK「GB-6900AA」搭載される機能

・電話/メールの着信を文字盤の表示とアラーム音で知らせる
・腕時計からiPhoneのアラームを鳴らし、iPhoneがどこにあるか見つける
・Bluetooth経由で時刻を正確に合わせる

メールが来るとメールアドレスを表示。iPhoneを部屋の中でなくしたとき、腕時計側から「鳴らせる」のが便利だ

iPhone側とはアプリで同期する。アプリはAndroid版も用意するという。ただしペアリング可能なのは初めに登録した1台のみ。2台を使い分けたいときはペアリングしなおす必要がある

10月に「GB-6900AA」(左)を、11月に「GB-5600AA」(中央)を発売する。5600AAは小型・薄型で、とりわけ日本国内で人気の高いモデル

 今後は、緊急地震速報を腕時計で知らせたり、iPhoneの位置情報を腕時計で見たり、スマホの機能を使った進化をさせていきたいという。

 発表を聞いたとき、「モノ」としての進化を重ねてきたこれまでのG-SHOCKを思うと、今回の新製品はやや変化球ではないかと思えた。ところが会場で話を聞いてみると、アイデアは「20年前からあったんです」という。20年前、1990年代といえば、まだケータイがようやく流行しはじめた時代だ。

今後は、緊急地震速報を腕時計で知らせたり、スマホで取得した位置情報を腕時計で見たり、といった機能も実現したいという


「若者の腕時計離れ」から20年
海外勢から若者を取り戻したい腕時計市場

 時計業界では90年代、ケータイの流行から「若者の腕時計離れ」が進んだと言われた。

 「若者はみなケータイを見る、腕時計を買うのは中高年層だ」――

 そう考えた国内の腕時計メーカーは「高級、正確、多機能」を売りにした、「大人の趣味」としての腕時計に注力するようになった。ゴルフ、登山、パーティー。ライフスタイルにあわせた商品に集中することで、市場を顧客とともに成熟させていった。

 だがその結果、若者向けの腕時計売り場は、アメリカのニクソン(NIXON)など海外勢で埋まることになる。もともと海外製が8割を占めていた日本の腕時計市場。面積こそ小さいとはいえ、諦めたパイはすぐに失われた。敵だと思っていた「ケータイ」ではなく、「若者は腕時計に興味を持たない」という割り切りが、若者たちを徐々に国内メーカーから遠ざける結果となった。

 その流れを受けてか、国内メーカーは2007~2008年頃から、若者向けの製品を再び市場に投入するようになる。「シンプルで就職活動に使いやすい」「財産として持っておける腕時計が欲しい」など、国産腕時計は徐々に若者たちの注目を集めはじめているという。

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