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シャープがIGZO生産を有機ELにも応用できる「新IGZO」に!

2012年06月01日 15時20分更新

文● ASCII.jp編集部

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 シャープは「IGZO」(酸化物半導体)ディスプレーの新技術に関する記者発表会を行なった。

 新技術は、IGZOを構成するIn(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)に結晶化構造を持たせるというもの。この結晶化構造は半導体エネルギー研究所が2009年に発見したもので、シャープと半導体エネルギー研究所はこの結晶体を「CAAC」(C-Axis Aligned Crystal)と名付けている。

「CAAC」化したIGZOの構造 「CAAC」化したIGZOの構造
ある面を見ると六角形になっており、その側面側から見ると層になっている

 従来のIGZOはアモルファス(非晶質)であったが、CAACのIGZO結晶はある面から見ると六角形の構造となり、それを横から見ると層のようになっている。この状態だと緻密で欠落のない薄膜となり、量産においても効率性が高まる。

 この新技術により、500ppi以上のさらなる高精細化が可能になるほか、製造プロセスが簡略化でき、さらに有機ELディスプレーなどへの応用も可能となるという。

発表会場には6.1型(2560×1600ドット、498ppi)と4.9型(720×1280ドット、302ppi)の新IGZOディスプレーが展示されていた
6.1型のディスプレーを接写。ここまで寄っても画素がはっきりとは見えない 6.1型のディスプレーを接写。ここまで寄っても画素がはっきりとは見えない

 現在、同社は三重県亀山市の亀山第2工場においてすでにIGZO液晶パネルの生産を開始しているが、2012年中にこのCAAC採用の新IGZOの生産に切り替える予定で、今年度内にも製品化したい考えだ。

シャープ副社長執行役員の水嶋繁光氏
「新IGZOパネルをできるだけ早期に量産化したい」と語るシャープ副社長執行役員の水嶋繁光氏

 会見に臨んだシャープ副社長執行役員 技術担当兼オンリーワン商品・デザイン本部長の水嶋繁光氏はIGZOパネルについて、特にモバイル機器でのアドバンテージが大きいことを強調した。

 モバイル液晶に求められるものとして同氏は、高精細化と低消費電力、タッチパネルの高性能化を挙げ、「(今後は)精細度の高さがディスプレーの価値を決める」と断言。

 さらに、低消費電力についてはモバイル機器の長時間駆動を実現し、バッテリーを小さくすることもできるため、「ガラスなどを薄くするよりもむしろより効率的に(軽く・薄い製品を)達成できる」と語った。

会場には新IGZOを採用した有機ELパネルが展示されていた。左は13.5型(3840×2160ドット、326ppi)、右は3.4型(540×960ドット、326ppi)のフレキシブルタイプ

 質疑応答では有機ELへの展開についての質問が相次いだが、水嶋氏は「少なくとも有機EL開発は他社に遅れることのないレベルまで来ている」とし、「モバイルディスプレーの選択肢としては否定しない」と語ったが、その一方で「投資対効果に課題がある」として具体的な製品化などには言及しなかった。

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