「b-mobile」の日本通信から、LTEに対応するSIMが新たに登場した。その名は「カメレオンSIM」。日本通信のLTEはドコモの「Xi」サービスを借り受けて提供するもので、下り最大75Mbps(理論値)の通信が可能だ。
カメレオンSIMの実売価格は5800円で、21日間、最大3GBの範囲で、LTEの高速通信が利用できる。ドコモのXiはエリア外ではFOMAネットワークに自動的に切り替えて通信できるが、このカメレオンSIMも同様に、FOMAに自動的に切り替わって使えるため、エリアの心配はほとんどない。
21日の期間が終了した後はチャージして継続利用できる。その際、下り最大300kbpsで好きなだけ通信ができる「U300定額」(2480円/30日間)、引き続き5GBまで高速通信ができる「高速定額」(5400円/30日間)、3G接続(下り最大14Mbps)で通信量が1GBまでに限定されるが利用できる期間が長い「1GBフェア」(8800円/最大120日間)という3つのチャージプランから選択できる。サービスを色々に変化させられるから“カメレオン”なのだ。
このSIMは、SIMフリー端末やNTTドコモのスマートフォン、データ通信端末での利用を想定しているのだが、手持ち端末がない場合はモバイルルーター「b-mobile4G WiFi2」を日本通信から購入することができる。
なお、カメレオンSIMは開通手続きを20時以降に行なうと翌朝9時以降の開通となる。24時間すぐ開通できるほかのb-mobileのサービスとは違うことには注意したい。また、カメレオンSIM及び3つのチャージプランは、直近3日間の通信量の合計が300万パケットを超えると通信速度が制限される可能性がある。
b-mobile4G WiFi2の端末としての使い心地
今回はb-mobile4G WiFi2を利用してみたが、本体サイズが幅55.3×奥行き11.2×高さ99mmと、モバイルルーターとして非常にコンパクトで持ち歩きしやすい。重量は約95gだ。
b-mobile4G WiFi2の操作は電源と無線LAN設定のWPSボタン程度のシンプルさなのだが、表示LEDの点灯や点滅、点灯色の意味は覚えたほうがいいだろう。たとえば電波状態のアンテナ表示はバーの本数で示すのではなく、全体が1つのアイコンとして点灯する。圏外では“赤”、LTEエリアのときは“緑”、3Gエリアは“青”というように色で状態を表し、電波の強度を表す機能がない。
同様に電源のアイコンも色によって電池残量を知らせる仕組みだ。緑点灯なら150分以上利用可能だが、減ってくると黄、赤、赤点滅と変化する。色や点灯の意味は、買ったら最初に説明書を読んで覚えておくしかない。
また、b-mobile4G WiFi2を使う上で重要なのがセキュリティー設定だ。最近の製品ではめずらしく無線LANのセキュリティー設定がまったくかけられていないため、買ったらすぐに設定するべきだろう。設定はウェブブラウザー経由で行ない、セキュリティーもWPA2に対応している。本体にWPSの設定ボタンがあるので、セキュリティー設定をしても接続の設定は難しくない。
バッテリー容量は2100mAhでスマートフォンと比べても大容量。カタログ数値ではLTE利用時で約5時間の利用が可能だという。試しにずっと電源を入れっぱなしにして4~5時間移動し、そのうち合計2時間ほど通信を行なってみたが、その状態でもインジケーターは残り時間45~150分という黄色点灯であった。
動作中、本体は少し熱を持ち、全体的にほんのり温かくなる。冬場なら使い捨てカイロ並みに手を暖められる程度。バッテリーの充電はごく一般的なmicroUSB端子なのでほかのケーブルと兼用もできそうだ。充電時間はUSBポートからで約5時間、付属のACアダプターと付属USBケーブルの組み合わせでは約4時間となる。
b-mobile4G WiFi2は、既存の携帯電話事業者と違って本体0円というような回線契約セットで配布するような販売方法は行なわれていない。そのため、本体価格が3万2800円と高いのだが、契約タイプの高速通信サービスと比べ、初期導入費用は高くても、後で回線が不要になった場合の解除料や端末代金の精算などは一切ない。それを加味すれば一概に高いとは言えない金額ではないだろうか。
さらに、当然ながらb-mobile4G WiFi2はSIMフリーなので、b-mobileの利用に限定したものではなく、他社のSIMも利用できる。つまり、NTTドコモのXiサービスを契約していても、コンパクトさを求めてb-mobile4G WiFi2を選ぶことができる。
海外キャリアのSIMなども通信規格さえ合っていれば使えてしまうので、海外出張などさまざまなシーンで非常に幅広く使えるモバイルルーターとして持っていてもいいのではないだろうか。

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