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Samsung、世界最大の携帯メーカーに Appleとの2強時代

2012年05月02日 18時00分更新

文● 末岡洋子

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 GALAXYシリーズが絶好調のSamsungがついに携帯電話で世界トップの座をNokiaから奪った――4月26日にIHS iSuppliとStrategy Analyticsから発表された2012年第1四半期(1~3月期)の世界の携帯電話市場調査により明らかになった。14年続いたNokiaトップ体制から王者はSamsungへ、新しいモバイルの時代の幕開けといえそうだ。

 iSuppliとStrategy Analyticsはともに、フィーチャーフォンを含む携帯電話とスマートフォンの2種類について、市場調査結果を報告している。それぞれ異なる集計方法で割り出しているため数値は違っているが、iSuppliは第1四半期の業績を公開したベンダーのみを集計したデータとなる。

スマートフォンではSamsungとAppleが接戦状態

 まずは、スマートフォンからみてみよう。iSuppliのデータではAppleがトップを維持したが、Strategy AnalyticsはSamsungがAppleを上回っている。iSuppliではAppleの出荷台数は3500万台、Samsungは3200万台で、Strategy AnalyticsではAppleは3510万台と変わらないが、Samsungは4450万台。

Strategy Analyticsのデータから

 Strategy Analyticsの数値では、Samsungは前年同期比253%増を達成したことになる。Strategy Analyticsはまた、SamsungとAppleの2社を合わせたシェアは54.8%と、初めて過半数に達したことも報告した。2社合計のシェア値は前年同期には30%だった。黎明期のスマートフォン市場ではさまざまなベンダーがシェアを分け合ったが、AndroidとiOS、SamsungとAppleの一騎打ちが始まっていることを感じさせる。

 両者の調査とも3位はNokiaで、シェアはiSuppliでは8.2%、Strategy Analyticsでは12%。Nokiaは長年採用してきたSymbianからWindows Phoneへの切り替えを進めているところで、2011年第4四半期にWindows Phone 7搭載のLumiaシリーズを始めたばかり。第1四半期は北米など地域と機種を拡大したが、Symbianの減少を相殺するレベルではないと分析している。

携帯電話全体では王者のNokiaをついに抜いたSamsung
今年後半はさらにGALAXY S IIIもスタンバイ

 携帯電話全体では、iSuppli、Strategy Analyticsともに上位3社は同じとなった。シェア1位はSamsungで、1998年から14年間王座を維持したNokiaから首位を奪った。Samsungが携帯電話市場でシェアトップとなったのは、これが初めてである。iSuppliではSamsungの出荷台数は9200万台、Strategy Analyticsでは9350万台となっている。シェア値を出しているStrategy Analyticsでは、Samsungのシェアを25.4%。つまり、世界の携帯電話の4台に1台がSamsungブランドということになる。

 2位はNokiaで約8300万台を出荷、Strategy Analyticsではシェアは22.5%。3位はAppleで前年同期からほぼ倍増の3510万台を出荷、シェアは9.5%。

 トレンドとしては、携帯電話全体の成長が鈍化(Strategy Analyticsは前年同期比3.3%増)しつつある中、スマートフォンの成長が引き続き市場全体を牽引している点が挙げられる。Strategy Analyticsではスマートフォンは第1四半期に41.1%増、iSuppliでは2012年の成長率を35%と予想している。

 ちなみにスマートフォンと携帯電話全体のシェアが大きく違うことからもわかるように、各社で端末の構成はちがってくる。たとえば、Samsungは全体の34%をスマートフォンが占めたのに対し、Nokiaは14%にすぎないとiSuppliは報告している。

 同時にスマホ戦略の明暗が会社全体に影響していることもわかった。Samsungは「スマートフォン重視という市場のシフトをうまく活用しているだけでなく、他の携帯電話カテゴリでも好調」とiSuppliの上級アナリスト、Wayne Lam氏は分析している。さらには、次期モデル「GALAXY S III」についても、「まだローンチしていないのに、製品出荷が5月に予定されている。これは2012年にSamsungの市場シェアがさらに伸びることを示唆している」という。一方Nokiaについては、Windows PhoneとSymbianの世代交代だけでなく、ローエンドのフィーチャーフォンでも苦戦しているとStrategy Analyticsは分析している。

 スマートフォンしか持たないAppleは今期も好調である。Strategy Analyticsによると、Appleは中国、米国、日本などの主要市場で好調だったという。


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