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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第44回

Samsungの戦略を再チェック シェアを増やす独自OSのBada

2012年01月25日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 1月はSamsungに関するいくつかの話題が出てきた。1つはSamsungのモバイルOS「Bada」を「Tizen」に統合するというもの。もう1つは苦境にあえぐResearch In Motionを買収するという噂だ。今回は、気になる同社のOSについて見ていく。

「Bada」はMeeGo後継の「Tizen」に合流する?
Android以外のOSを必要としているSamsung

 Samsungのスマートフォンといえば、通常日本ではGALAXYシリーズ、つまりAndroid端末が連想されるが、SamsungはAndroid以外に3種類のOSをサポートしている。具体的にはWindows Phone、それにBadaとTizenだ。BadaはSamsungが2009年末に発表したOSで、同社がフィーチャーフォンで使っていたオープンな技術部品を集めたものである。

Samsungがフィーチャーフォンで用いていた技術をベースにアプリの開発環境などを整えた、独自OSの「Bada」。まだ世界的に本格展開をしているわけではないが、シェアは地道に伸びている

 一方のTizenは2011年秋に発表された新しいプロジェクトだ。複雑な歴史を歩んできたが、前身はIntelとNokiaが中心となって進めてきた「MeeGo」だ。MeeGoはそれぞれのLinuxベースの「Moblin」と「Maemo」をマージしたものだが、NokiaがWindows Phoneに鞍替えしたために求心力を失った。

 そこでIntelが、もう1つのモバイルLinuxの取り組みであるLiMo Foundationとともに立ち上げたのがTizenなのだ。SamsungはLiMoに参加していた経緯もあって、TizenでもIntelとともにプロジェクトをリードする企業として最初から名前が挙がっていた。なお、Tizenは1月はじめにα版の公開にこぎつけたところだ。

 SamsungのOS戦略としては、Badaの動向とともに、Tizenとどのように関わるのが注目されていた。そこに両OSをマージするという情報が入ったことになる。報じたのは1月13日付けのForbesで、「International CES 2012」会場で取材したSamsungのコンテンツプランニングチームの上級副社長、Tae-Jin Kang氏が明らかにしたという。

 Kang氏によると、すでに2つのOSをマージする作業は進行中で、TizenはBadaのSDKで作成されたアプリをサポートし、最終的には同じSDKとAPIを利用して開発することになるという。ただ、その後にいくつかのメディアに向けて、SamsungもTizenのほかのメンバー企業もBadaとTizenの統合を決定したわけではなく、「検討中である」としている。

 BadaとTizenを統合するというのは、“Samsung側からだけを考えると”技術的にも戦略的にも、理にかなった動きだ。4つものOSをサポートすることは効率的ではないし、ともにLinuxをベースとするTizenとBadaをまとめることは技術的にもそう難しくなさそうだ。Androidラインが絶好調なSamsungだが、Androidには2つの不安材料(特許訴訟やGoogleによるMotorola Mobility買収)がある。Windows Phoneは他社も採用するOSでNokiaと戦うことになる。そういった意味からも、自社でOSを持つ意味はありそうだ。

 もっともTizenだけをみると、これまでLiMo、Maemo、Moblin、MeeGo……、と“モバイルLinux”なプロジェクトがことごとくうまくいかなかったことを考えると、楽観論より悲観的なシナリオが浮かぶ。

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