3月12日発売の『ビッグデータ革命』(アスキー・メディアワークス刊)は、携帯向けナビサービスの「全力案内!」、テキストマイニングツールの「TRUE TELLER」(トゥルーテラー)を中心に、ビッグデータビジネスの現状を徹底紹介している。出版を前にして、著者である野村総合研究所の3人に、本書出版の狙いなどについてうかがった。
機械の目でソーシャルを生かし、リスクを軽減する
東日本大震災以降、ツイッターやフェイスブックを情報の伝達ツールとして使うケースが非常に増えてきました。そのため、ツイッターなどのソーシャルメディアを、データソースとして注目する企業が急増しています。
私たちが手掛けている「TRUE TELLER」(トゥルーテラー)というテキストマイニングツールへの要望でも、ソーシャルメディアのデータを分析したいという比率が、明らかに大きくなってきています。
東日本大震災後に「被災地の声 分析レポート」が試みたのと同様に、ソーシャルメディアの声を集めて、リアルタイムで分析するという作業を、企業活動として採用するというクライアントも増えてきています。
当社が協力する形で、この4月から相当数のプロジェクトが立ち上がります。ですから2012年は、“ソーシャルCRM”(CRM:顧客関係管理)が本格普及する年になるだろうと思われます。ソーシャルCRMの手法を使って、ソーシャルメディアに対して、企業が何らかの武装をするべきだという認識が、当たり前のものになっていくでしょう。
ソーシャルCRMとは、ソーシャルメディアを活用したマーケティングであり、リスク管理です。ソーシャルメディアが急速に一般化したことで、メディア内の発言に対して日ごろから目を光らせていないと、企業は致命的な損害を受ける可能性が出てきました。
もっとも、以前の2ちゃんねる監視のように、ツイッター、フェイスブックへの膨大な書き込みを、片っ端から人手でチェックしたら、大変な手間がかかります。そこで、トゥルーテラーのようなテキストマイニングツールを使ってソーシャルメディアを自動的にチェックし、リスク管理に役立てようというわけです。
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