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仕事と生き方を変える、著名人の意見第22回

貯金の総額と借金の総額、多いのはどちらか?

世の中の貯金90%は使えない?

2012年03月13日 09時00分更新

文● 安田佳生

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 ※この記事は安田佳生氏のメールマガジン「境目研究メルマガ - すべての答えは境目に埋まっている -」(「ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。

 世の中にある貯金の合計と借金の合計、どちらが多い?――そんな気になる設問。貯金とは何なのか、 借金とは何なのかを問い詰め、元ワイキューブ社長安田佳生氏が論じる。私たちは行使できない権利を得るために、毎日こつこつと働いているのかもしれない……。

 安田氏のメルマガでは、それが変わるとき大きなビジネスチャンスを生む「境目」を追及しています。コラムのコーナーでは、今回掲載したような形式で「仕事も人生も常識を疑うところからすべてがスタートする」というテーマで論を展開します。詩のような少し独特な文体ですが、お楽しみください。


 この世の中にある貯金の合計と借金の合計と、
 いったいどちらが多いのだろう。
 私の予想を述べさせていただくならば、おそらく
 貯金は借金の10倍、いや100倍くらいはあるのではないかと思う。
 なぜか。その話をする前に、まずもって貯金とは何なのか、
 借金とは何なのか、そのことについて考えてみたい。

 貯金はどうやったら生まれるか。貯金の公式はこうだ。
 稼いだお金-必要経費(使ったお金)=貯金。
 もちろん、稼いだ金よりも使ってしまったら貯金は残らない。
 稼いだけれども使わなかったお金、それが貯金である。

 では貯金とは何か。
 それは働かなくても生活できる権利である。
 食事ををしたり服を買ったり旅行に行ったり。
 働かざるもの食うべからずという諺があるが、
 働かなくても食べられる権利が貯金だと言ってもいい。
 それは、自分が必要とする以上に働いたご褒美みたいなものだ。
 一日300グラムの米があれば生きていけるのに
 頑張って600グラムの米を作った。
 だから一日働かなくても食べていけるのである。

 反対に、借金というのは必要な分のお金を稼げなかった、
 あるいは稼いだ以上に使ってしまった結果生まれる。
 借金というのは言い換えれば
 何も見返りを受け取らずに働かなくてはならない義務のようなものだ。
 300グラム必要なのに200グラムしか作れなかった。
 だから100グラム分はいつか無給で働かなくてはならないのである。

 では当初の話に戻ろう。
 貯金の総額と借金の総額と、どちらが多いのか。
 正確な数値を調べることは出来ないし、
 調べたところでその数字が本当なのかどうかも分からないので、
 ここは論理的に考えてみたいと思う。
 私が貯金の方が多いと考える理由、それはこうだ。

 まず、借金というものには必ず相手がいる。
 無人島で借金をすることは出来ない。
 300グラムなければ生きていけないから誰かに100グラム借りる。
 これを借金というのである。
 つまり、この世の中に借金を作り出すためには、
 それと同じだけの貸金が必要になる。
 借金の方が多いということは、
 貸した人がいないのに借金があるということになり、
 矛盾してしまう。

 一方、貯金はどうかというと、これは自分一人でも出来る。
 貯金をするのに相手は必要ないので
 無人島でも貯金をすることは出来る。
 今日必要な以上に米を作っておけば、明日は働かなくてもいいからだ。
 だから世界中の人間が一人残らず借金を抱えることは出来ないが、
 一人残らず貯金を蓄えることは出来る。
 全員が働いた以上に使わなければそれでいいのだから
 論理的には可能である。

 ところで、貯金というのは実際には米で蓄えられてはいない。
 お金で蓄えられている。
 今日必要なお金よりも1000円分余分に働けば
 1000円の貯金が残る。
 それは、1000円分誰かに働かせることが出来る権利なのだ。
 1000円払って食事を作ってもらったり、肩をもんでもらったり、
 掃除をしてもらったり、要するに他人を働かせる権利である。
 お金持ちが働かなくても生きていけるのは、
 それだけの権利を持っているからだ。
 借金がある人は、どんなに嫌でも働かざるを得ない。借金の分だけ
 誰かのために働かなくてはならない義務を背負っているからだ。

 ここで問題にぶちあたる。
 世の中の貯金が借金よりも多いとしたら、
 その権利は果たして行使出来るのだろうか。
 全員が貯金を持っている。
 全員が他人を働かせる権利を持っている。
 だが、働かなくてはならない義務を背負った人間がいない。
 その数が圧倒的に足りない。

 この世の中の貯金の90%は、本当は使えない貯金なのではないか。
 恐ろしいことだが私たちは行使できない権利を得るために、
 毎日こつこつと働いているのかもしれない。
 積み立てた年金が消えてなくなるように、
 私たちの貯金も消えてなくなる日が来るかもしれない。

【筆者プロフィール】 安田 佳生

 1965年1月19日大阪生まれ。O型。南八下小学校→日置荘中学→桃山学院高校→オレゴン州立大学→リクルート営業→ワイキューブ社長→ワイキューブ民事再生→境目研究家。趣味:マンガ、小説、友達との晩ご飯。好きな場所:ルノアール、清潔な漫画喫茶、自宅。嫌いな場所:人ごみ、汚い漫画喫茶、会社。得意な家事:料理、植木のお世話。苦手な家事:洗濯ものたたみ、宅急便の受け取り。好きな生き物:食虫植物(特にウツボカズラ)。ロマンを感じるもの:三葉虫の化石。特技:頭がいいふり。友達の数:8人。ビジスパではメルマガ「境目研究メルマガ - すべての答えは境目に埋まっている -」を執筆中。

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